作品データ
あらすじ
巨大な球体宇宙船がモスクワに飛来し、ビルをなぎ倒し多くの死傷者を出しながら着陸した。
異星人との初めての遭遇に人々が戸惑う中、ロシア政府は即座に戒厳令を敷いて予測不能の事態の収束を図ろうとした。
一方、ロシア軍司令官の娘ユリアは異星人の科学技術者ヘイコンと出会い、彼らが故郷へ帰る為に必要なデバイス「シルク」探しを手伝う事になるのだった。
登場人物&出演者
・ユリア・レベデフ(演:イリーナ・スタルシェンバウム)
代表作に『T-34/レジェンド・オブ・ウォー』、『LETO/レト』などがあります。
主人公。父親はロシア軍の大佐。いつも仕事優先で話しを聞いてくれない父親を嫌っている。
隕石を見物する際に恋人のチョーマとイチャイチャしていると、親友が宇宙船の墜落で死亡。
異星人のせいだと決めつけて復讐しようとするが、イケメンだと分かって助けて恋に落ちる。
嫌う父親の名前を使ってヘイコンが欲しがるモノを探すが、チョーマにブチ切れられる。
最後はチョーマに撃たれ、ヘイコンが自ら永遠の命を捧げられ、後遺症なく生還を果たした。
・ヘイコン(演:リナル・ムハメトフ)
代表作に『三銃士/宿命の対決』、『アンチグラビティ』があります。
異星人。長年に渡って地球を監視していた。宇宙船がバレてロシア軍に撃ち落とされる。
宇宙船に必要な部品を落としてしまい、パワードスーツを着て探すとユリアに出会った。
チョーマたちの攻撃でケガを負ってしまい、気になったユリアに助けられて部品を探し出す。
なぜかユリアと恋に落ちて、地球人は助けるべき存在だと勝手に決めつけて帰ろうとする。
最後はチョーマにユリアが撃たれ、自分の命を捧げて死ぬが、なぜか生き返る事になる。
・グーグル(演:エフゲニー・ミヒエフ)
代表作に『Tantsy nasmert』、『アトラクション/侵略』などがあります。
ユリアの同級生。オタク。いつもスマホでグーグル検索していて、そのあだ名になった。
ずっとユリアを気にしているが、彼氏がチンピラ風なので当然のように見向きもされない。
異星人のヘイコンがケガを負っていて、それを助ける為にキスと引き換えに利用される。
最後は得意のグーグル検索で病院の医療機械を簡単に起動させるが、血を見て気を失った。
・ルスラン(演:ニキータ・ククシュキン)
代表作に『Klass korrektsii』、『Kharms』などがあります。
チョーマの悪友。スキンヘッドのチビ。口が悪くユリアを小バカにしてチョーマとケンカに。
チョーマとは小さい頃からつるんでいて、血の気が多くて、何かと暴力でしか解決できない。
ユリアが親友の復讐に駆られると、生き生きとしてパワードスーツを手に入れて持ち帰る。
最後はヘイコンを率先してボコボコにするが、仲間が銃を撃って運悪く当たって死んだ。
・チョーマ(演:アレクサンドル・ペトロフ)
代表作に『ミスティック・フェイス』、『ANNA/アナ』などがあります。
ユリアの恋人。チンピラみたいな仲間とつるんでいる。ユリアの父親から嫌われている。
隕石を見物する為にユリアをムリヤリ連れ出し、宇宙船の墜落でケガを負わせてしまう。
ユリアが親友の復讐する為に仲間を引き連れ、パワードスーツを手に入れて持ち帰る。
異星人とイチャイチャするユリアにブチ切れると、民衆を煽って宇宙船の破壊に駆り出す。
最後はパワードスーツを着てヘイコンをぶちのめし、ユリアを撃ってしまい逮捕された。
・レベデフ大佐(演:オレグ・メンシコフ)
代表作に『戦火のナージャ』、『魔界探偵ゴーゴリ』シリーズがある。
ユリアの父親。ロシア軍の司令官。ロシアに領域に侵入した宇宙船に攻撃命令を出した。
宇宙船の墜落現場に議員とやって来ると、彼らの言葉から近づくなと言われて従う事に。
状況が上手く掴めないまま宇宙船を監視するが、娘の勝手な行動を知らずに振り回される。
ヘイコンの為に妊娠のウソをつかれ、監視の任務に私情を持ち込んでIDまで盗まれてしまう。
最後はユリアがチョーマに撃たれ、なぜか異星人にブチ切れるも助けられてホッとした。
感想
[個人的な評価]
本作は『カリテ・ファンタスティック!シネマコレクション2017』にて上映された作品です。
ロシアのSF映画は近年になって活発になってきて、彼らの持っている独特なセンスは個人的に注目しています。
本作はロシア映画として超大作となっていて、本作でのCGのレベルはかなり高いと言えます。
内容としてはB級映画であって、残念ながら高いレベルのCGと比べてストーリーはかなり幼稚な構成になっています。
まず、登場人物たちは総じて知能レベルが相当退化させられており、誰一人として冷静に考える事ができません。
異星人であるヘイコンがようやく普通の知能レベルに見えるが、人類よりも進んだ技術を持っているのに思考力がまるで釣り合っていない。
そして、本作は侵略モノではないが、だからと言って地球人と異星人のラブストーリーなど珍しいというワケでもない。
そもそも、これだけの高いレベルのCGがあるのに、やっている事が三角関係のもつれという人間的すぎる展開にガッカリしました。
主人公であるユリアはキャラクターとして魅力がなく、父親を嫌っているクセにその地位を利用するという矛盾を自ら発揮しています。
父親を単純に困らせる為にやっているなら納得できるけど、自分の利益の為に使っているから主張に説得力がない。
それに初めて会った異星人に恋をして、特に中が悪いワケじゃない恋人のチョーマを勝手に捨てる行為もまた納得ができない。
最初から恋人を捨てる展開にするならば、もっと両者が別れてもおかしくないエピソードを盛り込まないといけないのです。
異星人のヘイコンも監視しているだけなのに宇宙船を墜落されて、永遠の命を持っているクセに行動が幼稚すぎて説得力に欠ける。
更に裏切られた恋人のチョーマが三角関係で負けて、恨みを異星人にぶつけて民衆を動かす展開も唐突すぎてギャグにも思える。
主人公の父親である軍人も私情を仕事に挟みまくっていて、どう考えても上に立つ者として失格であるし、そんなヤツが上にいる部下たちがお気の毒すぎる。
とにかく、本作はCGの良さを台無しにする登場人物たちの頭が悪い行動が目立っていて物語に集中ができなかった。
ロシアのSF映画で超大作として期待していたが、登場人物たちのつまらない行動のせいでガッカリしました。
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