作品データ
あらすじ
1991年、マドリードに住む15歳の少女ベロニカは早くに父親を亡くし、今は母親と二人の妹ルシアとイレーネ、幼い弟アントニートと暮らしていた。
ある日、日食が起こると、亡き父と会話したかったベロニカは同級生たちと地下室にこもり、降霊術を行って霊を呼び出そうとした。
しかし、上空で月と太陽が重なった瞬間、使っていたウィジャボードが割れ、ベロニカは気を失ってしまい、その日を境に周囲で不可解な現象が起きるのだった。
登場人物&出演者
・ベロニカ(演:サンドラ・エスカセナ)
代表作に『Infiesto/インフィエスト』、『ブラックサン』などがあります。
主人公。15歳の9年生。父親を亡くした事で母親が一日中働いていて、妹や弟たちの面倒をすべて見ている。
不安が溜まっている状態で父親に会いたくて、ロサに言われて降霊術を使い何かを呼び出す。
怪奇現象に悩まされて降霊術を行った場所に行くと、盲目のシスターに会って助言される。
ロサたちと悪霊を返そうとする断られ、妹や弟を使っていくが逆に暴走させて守ろうとした。
最後は取り憑かれたと知って自殺を図ると乗り移られ、体が耐えられずに死亡してしまう。
・ルシア(演:ブルナ・ゴンサレス)
代表作に『日曜日の憂鬱』、『Suddenly, the Night』などがあります。
ベロニカの妹で次女。イレーネとトランシーバーを使って会話している。ベロニカを意識的に手伝っている。
朝はベロニカに起こされるのが当たり前だが、できる範囲で食事の用意などの用意をする。
日食の時は屋上でイレーネとネガを通して見ていて、ベロニカが呼び出したモノは見えない。
悪霊に首を締められたが、実際は取り憑かれたベロニカでその時だけ怖がるも信じていた。
最後は悪霊が暴れ回ってベロニカに言われ、イレーネと外に出ると駆けつけた母親と会った。
・イレーネ(演:クラウディア・プラセル)
代表作に『パパと見た星』、『La influencia』などがあります。
ベロニカの妹で三女。ルシアとトランシーバーを使っていつも会話している。いつも一緒に行動する。
二段ベッドで上に寝ていて、ルシアと比べて自由にしているが食事などの用意をしている。
日食の時はルシアとネガを通して空を見ていたが、ベロニカが呼び出したモノを知らず。
悪霊がいるとベロニカに言われると、ビビっていたが降霊術で帰らせる為に黙って従った。
最後は帰らない悪霊が暴れ回ると、ベロニカに言われてルシアと外に出て母親と合流した。
・アントニート(演:イバン・チャベロ)
代表作に『After Blue』、『Todos lo saben』などがあります。
ベロニカの弟。まだ幼稚園に通うぐらい幼い。度がきついメガネをしていて、ベロニカの言葉に素直である。
何度もオネショしているが、ベロニカは怒らないがちゃんと謝っていて二度としないと話す。
ベロニカが降霊術で何かを連れてくると、それを察知して父親だと思って無邪気に接した。
その事実をベロニカに話すと、父親じゃないと言われて耳を閉じて自分を呼ぶ事に賛同した。
最後は悪霊に連れ去られていたが、ベロニカの言いつけ通りにして警察に保護されていた。
・アナ(演:アナ・トレント)
代表作に『ブーリン家の姉妹』、『瞳をとじて』などがあります。
ベロニカたちの母親。夫が亡くなった事でシングルマザーとして、生活費を稼ぐ為に一日中働いている。
小さい妹や弟の面倒を長女のベロニカに押し付けていて、家の事はまったくやっていない。
ベロニカが疲れ切っている事を理解せず、自分が仕事で疲れ切っている理由で取り合わない。
何かを呼び出したベロニカの言葉を信じられず、逆に注意するような言動を見せてしまう。
最後は警察や救急車が急行していると知り、駆けつけると運び出されるベロニカを心配した。
・ロサ(演:アンジェラ・ファビアン)
本作が長編映画デビュー作となります。
ベロニカの同級生で親友。ベロニカが父親を亡くしている事を知っていて、降霊術をやろうと提案をした。
日食でみんなが屋上にいる時を狙って、学校の誰も使っていない地下室でやると決めていた。
当初はベロニカと二人でやるはずが、もう一人を入れて三人でやると違うモノを呼び出した。
失神したベロニカの言葉に恐怖を覚えると、露骨に彼女を避けるような態度を見せていた。
最後は悪霊を戻す為にベロニカが懇願するが、関わりたくないとして平然と見せていていた。
・盲目のシスター(演:コンスエロ・トゥルヒーヨ)
代表作に『ラ・ノビア』、『テレサ』などがあります。
ベロニカたちが通う学校のシスター。盲目で学校の中では「死のシスター」と呼ばれて怖がられている。
日食の時にベロニカたちが降霊術をしていると、何かに勘づいていて彼女の様子を観察する。
ベロニカが休憩の時間に地下室に来ると、待っていたかのように言葉をかけて警告していた。
過去に悪霊のようなモノが見えていて、それがイヤになって盲目になるも意味がないと説明。
最後は再びベロニカがやって来ると、違いモノを呼び出したとして正すべきだと助言をした。
感想
[個人的な評価]
本作は『のむコレ2017』にて上映された作品となります。
この作品は『REC/レック』シリーズで知られるパコ・プラサが監督と脚本を務めています。
どうやら実際にスペインであった出来事を実写映画化しているようで、更にNetflixでは前日譚となる『ブラックサン』が配信されています。
ウィジャボードを使って死者と会話するという点では、日本の都市伝説でもある「コックリさん」と同じパターンとなります。
ただ、今回はちょうど日食と重なった時にやってしまい、結果的に父親じゃない悪霊を呼び出してしまう。
主人公はシングルマザーの母親が家におらず、二人の妹と弟の面倒を見ていて、15歳にして苦労を強いられている。
まだ精神的に未熟であって、相談する相手もいない状態から父親を恋しく思っての安直な行動になってしまったと思います。
その点では同情の余地があるかもしれませんが、基本的には自業自得であり、結末は仕方ない部分が大きいと感じました。
恐怖を追求した『REC/レック』シリーズのパコ・プラサが監督という事で期待したが、残念ながら作品として微妙でした。
とにかく、テンポが悪すぎるのが問題で、主人公の周囲を描く時間に多く使ってしまったせいで肝心の恐怖が薄くなりました。
ようやく悪霊のようなモノが登場したのはいいが、見た目にインパクトがないせいで期待外れという印象でした。
前日譚となった『ブラックサン』での主人公である盲目のシスターが出てくるが、ほとんど意味がなかった点でも微妙でした。
主人公が追い込まれる描写が上手く演出できておらず、置かれている環境の説明が多かったのが最大の失敗だと言えます。
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