作品データ
あらすじ
冴えない高校教師のマーティンは、無気力な毎日を送っており、生徒から授業がつまらないと文句を言われて妻子とも溝が深まるばかり。
そんな時、同僚から「血中アルコール濃度を0.05に保つと仕事の効率が上がる」という理論を聞いて実行してみた。
すると、予想以上に気力がみなぎり生徒からの評判も上々となり、マーティンは同僚3人とこの説を論文にまとめる実験として勤務中の飲酒を実践していくのだった。
登場人物&出演者
・マーティン(演:マッツ・ミケルセン)
近年の出演作に『インディ・ジョーンズと運命のダイヤル』、『ファンタスティック・ビーストとダンブルドアの秘密』などがあります。
主人公。高校で歴史を教えている教師。冴えない人生を送っていて、家庭が冷え込み生徒から授業が不評である。
ピーターの提案でアルコール摂取をした事で、リラックスした授業が好評で実験が成功する。
日常的に飲酒するクセを持ち、冷え込んでいた夫婦関係や家族との絆を取り戻そうとした。
アルコール濃度を上げたせいで失敗し、妻の浮気からケンカして別居してトミーの死を知る。
最後は妻からやり直すチャンスをもらい、卒業生たちと一緒に騒ぎながら楽しんでいた。
・ニコライ(演:マグナス・ミラン)
代表作に『ザ・コミューン』、『潜水艦クルスクの生存者たち』などがあります。
高校で心理学を教える教師。妻と子供3人に恵まれた家庭を持つ。40歳の誕生日に同僚たちとレストランで祝った。
家庭では幼い子供がいるせいで妻がちゃんと寝られず、そのせいでギクシャクをしていた。
アルコールを飲む実験をマーティンが進める事に賛同すると、論文にまとめるべく開始する。
実験が成功していく中で、アルコール濃度を高めたせいで失敗し、トミーの死で実験を終了。
最後は妻と新たな関係を築いて平穏を取り戻し、外で祝う卒業生たちと一緒に喜んでいた。
・ピーター(演:ラース・ランゼ)
代表作に『ある愛の風景』、『きっと、いい日が待っている』などがあります。
高校で音楽を教える教師。女性に奥手で未だに結婚どころか恋人もいない。ニコライの誕生日を一緒に祝う。
マーティンがアルコールの実験をする事から、ニコライの研究についても一緒に乗っかった。
アルコールを適度に摂取する事で生徒たちのやる気を引き出し、教える事に満足感を得る。
濃度を上げたせいでトミーが依存症になるが、悩む生徒に飲酒を勧めた事で卒業をさせた。
最後はトミーの死をみんなで悲しむ中、念願の恋人が出来て卒業生たちと一緒に喜んでいた。
・トミー(演:トマス・ボー・ラーセン)
代表作に『DEAR WENDY/ディア・ウェンディ』、『THE WAVE/ザ・ウェイブ』などがあります。
高校で体育を教える教師。愛犬と一緒に住んでいる。少年たちにサッカーを教えるコーチとしても活躍する。
マーティンがアルコールの実験をすると乗り出し、誰よりも率先して参加して飲酒していた。
やり過ぎたせいで体育倉庫で酒が見つかるも、実験がバレない事で次第に溺れていっていた。
学校にも飲酒がバレた事でクビになってしまい、マーティンとアニカを応援すると宣言した。
最後はアルコール依存症となり、自前のボートで沖まで愛犬と出るも結果的に死亡した。
・アニカ(演:マリア・ボネヴィー)
代表作に『13ウォーリアーズ』、『恋に落ちる確率』などがあります。
マーティンの妻。夜勤の仕事で夫とすれ違いの生活を送っている。夫とはちゃんと会話できない状態にある。
何かを変えようと夫が酒を日常的に飲んでいる事を知るが、本当に変わっていくのを歓迎。
数年ぶりに家族旅行をして自然と作ってしまった心の壁が壊れ、お互いに歩み寄っていた。
日常生活に戻ると以前の状態になってしまい、夫から男と会っている事を言われ別居をする。
最後は謝罪をした夫について考えていて、トミーの葬式後にやり直すチャンスを与えていく。
感想
[個人的な評価]
本作は『第93回アカデミー賞』にて国際長編映画賞を受賞し、監督賞にノミネートされています。
この作品は他に『第78回ゴールデングローブ賞』にて外国語映画賞などを受賞しています。
とある研究でアルコールの血中濃度が0.05%で上手くいく事から、人生に行き詰まった主人公たちが実践していくという物語です。
まず、個人的にアカデミー賞関連で受賞やノミネートしている作品は信用しておらず、面白さとは別のベクトルだと思っています。
本作もアカデミー賞やゴールデングローブ賞を受賞しているので、玄人受けするタイプの作品として期待しなかったです。
ただ、主演が今やデンマークだけじゃなくヨーロッパを代表する俳優のマッツ・ミケルセンだから期待をしました。
冴えない男をマッツ・ミケルセンが演じるにはちょっと説得力がないけど、彼の演技でどのようなキャラクターか分かりやすいです。
さすがの演技力で華やかなイメージのあるマッツ・ミケルセンが冴えなく見えるのは、彼自身の卓越した技術だと思います。
本題だと適度なアルコールを摂取すれば、リラックスした状態だと作業効率が上がるという事を検証していく。
個人的には何かの力を借りて別の自分を出す事には賛同できないし、本作のように上手くいくとは思いません。
結局はトミーというキャラクターのように人生を潰し結果になるだろうから、そこら辺はあまり面白いとは感じなかったです。
あくまでマッツ・ミケルセンの演技力と格好良さを堪能する作品であり、それ以上でもそれ以下でもなかった印象です。
所詮はしがらみや思惑があっての受賞になったと思うので、純粋に作品としての面白さはあまり感じられなかったのは期待値を上げすぎたせいかもしれません。
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