【殺人者の記憶法】VD-967

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作品データ

公開年月 2017/09/06
ジャンル サスペンス
原作 キム・ヨンハ 『殺人者の記憶法』
監督 ウォン・シニョン
脚本 ファン・ジョユン
製作 ユ・ジョンフン、ウォン・シニョン
製作国 韓国
鑑賞方法 動画配信サービス

あらすじ

田舎の獣医師として平穏な生活を送っていたビョンスだが、その正体は残忍な連続殺人鬼でアルツハイマーを患っていた。
記憶も覚束なくなったビョンスはある日、偶然出会った若い男のテジュの目を見て直感的に同類の人間だと嗅ぎ取る。
警察にも取り合ってもらえず、テジュがビョンスの愛娘ウンヒが次のターゲットだと知ると、混濁する記憶に苦しめられながらも対決を決意するのだった。

登場人物&出演者

キム・ビョンス(演:ソル・ギョング)

代表作に『シルミド』、『力道山』などがあります。

主人公。獣医師。暴力を振るう父親を殺害してから、社会悪を自分が成敗する意味で何人も殺害してきた。

過去に車の事故で頭を手術し、その影響で重度の認知症となって録音して記憶を留める。
テジュの車に追突した事から殺人者だと勘づき、娘の命が危ないとして独自に調査をする。
記憶が混乱する中でテジュの誘導もあって自殺しようとして、思い出して娘を助けに行く。
最後はテジュを倒し娘を安心させ、記憶が少年時代まで退化するも終わっていないと知る。

キム・ウンヒ(演:キム・ソリョン)

代表作に『江南ブルース』、『安市城/グレート・バトル』などがあります。

ビョンスの一人娘。父親が連続殺人鬼だった事を知らない。認知症となった父親の為に何かと心配する。

何度も迷って警察に連行される父親を迎えに行き、記憶を留める為にレコーダーを渡した。
テジュの正体を知らずに彼の接近を許して、父親に言わないまま恋人として付き合う。
父親のビョンスと血が繋がっておらず、彼に殺されそうになるも認知症によって助かった。
最後はテジュに捕まる父親に助けられると、彼を許して面会に来て散髪して靴をあげた。

アン・ビョンマン(演:オ・ダルス)

代表作に『オールド・ボーイ』、『偽りの隣人/ある諜報員の告白』などがあります。

田舎の警察署の所長。ビョンスとは古い付き合いで彼が迷子になって何度も警察署で保護されて対応していた。

ビョンスが認知症だと知っていて、その度に自分の名前を覚えているか確認している。
過去にタバコ店の娘が何者かに殺され、母親から犯人を捕まえる為にずっと探している。
テジュの工作でビョンスの証拠が捏造されるが、レコーダーの録音で事実を知って追う。
最後は油断したところでテジュに襲われ、抵抗できないまま首を締められて死亡した。

ミン・テジュ(演:キム・ナムギル)

代表作に『後悔なんてしない』、『パイレーツ』などがあります。

連続殺人鬼。警察官でありながら若い女性を狙って快楽の為に殺害する。普段は好青年を装っている。

ビョンスに追突されて死体がバレそうになるが、冷静な対応で鹿を轢いたと対処していた。
通報が入って疑われるような状態になるも切り抜け、ビョンスを狙って娘と恋人になる。
記憶が混濁するビョンスを利用して自分の罪を被せて、ウンヒを殺そうと監禁していた。
最後は記憶がなくなる寸前のビョンスと対決するも負けるが、生き延びてどこかに逃げる。

感想

[個人的な評価]

評価 :3.5/5。

本作はキム・ヨンハの同名小説を実写映画化した作品となります。
この作品は『セブンデイズ』や『サスペクト/哀しき容疑者』などで知られるウォン・シニョンが監督と製作を務めています。
記憶が混乱している主人公が物語を引っ張っていくと、何が事実で何がウソや幻覚か分からなくなってしまいます。
物語の展開について整合性を取ろうと推測するが、全部が認知症の主人公の視点になると簡単にひっくり返されてしまう。
その度にリセットされて事実をもう一度整理しないといけないので、登場人物が少なくても考え直さないといけない。
本作は記憶がメインとなってしまっているから、いくら物語の通りに解釈しても違った記憶になるともう一度振り出しとなる。
なので、セオリーが通じない部分が存在していて、実際に鑑賞している側も振り回されるような感じになってしまう。
これは物語の先が読めなくなる面白さがあって、単純に王道として裏切られる部分が多いから緊張感が生まれてきます。
本来なら簡単な出来事も主人公の混乱する記憶で複雑化され、どうしても予想を裏切るような展開になってしまう。
普通に描写しているはずのところだって、主人公の記憶違いというちょっとしたご都合主義で内容がひっくり返るのは少し疲れてしまいます。
これは精神病を持っている主人公でも言える事ですが、インパクトを与える意味で前提を覆すパターンが多すぎるとやり過ぎな印象も持ってしまう。
本作はそこら辺をギリギリのところで留めている絶妙なバランスであるが、ラストも曖昧な感じで終わってしまったのは少し残念です。
ただ、続編へ誘導するには上手い引き付け方であり、最終的にどうなったのか気になる点では脚本や演出が良かったと思います。

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