作品データ
あらすじ
冴えない脚本家の村井美紗は、新しい台本を提出しても監督からダメ出しを食らっていた。
そんな中、美紗は閉ざされた山奥の小さな村に“呪われた芸者伝説”がある事を知り、ロケハンに向かう時からインスピレーションを得てシナリオを書き上げていく。
しかし、同行していた制作会社の社長が呪われた芸者に殺害されるが、それは美紗の書いたシナリオ通りと知って日頃の恨みを晴らそうとか書き進めるのだった。
登場人物&出演者
・村井美紗(演:辻凪子)
代表作に『ベイビーわるきゅーれ』、『ハザードランプ』などがあります。
主人公。冴えない脚本家。以前は監督を目指していた。普段は工務店でバイトしていて工具に目がない。
提出する脚本を何度も目白監督からドブみたいな個性だと言われてダメ出しをされている。
段野社長から呪われた芸者伝説の村に来ると、インスピレーションが生まれて執筆する。
自分の書いたストーリーが実現化する事で恨みを晴らすが、菊乃に右手を切り落とされる。
最後はチェーンソーで菊乃を倒すが、目白監督の車に轢かれ、拍手喝采の中で死亡した。
・目白穣(演:長野こうへい)
代表作に『エキストランド』、『階段の先には踊り場がある』などがあります。
映画監督。童貞。映画を成功させたい為に熱意が凄まじい。美紗に対して常に厳しい態度でダメ出しする。
自分の体を狙っている段野社長に言われるまま山奥の村に来るが、純潔を守ろうとする。
美紗の脚本で菊乃がしかばね芸者となって段野社長が殺され、古市に状況を聞いていた。
菊乃の日本刀で頭頂部を斬られ、脳ミソが剥き出しになるも説得して殺されずに済んだ。
最後は温泉のおかげでゾンビに襲われず、美紗を車で轢いて逃げるも横転して死亡した。
・古市留知雄(演:錦織聡)
代表作に『タイムスクープハンター/スペシャル』、『札束と温泉』などがあります。
プロデューサー。いつものように目白監督からダメ出しする美紗を見かけて、弱みを握って言い返すべきだと助言する。
目白監督が美紗に言い返された事に対して、彼女を仕向けたとバレるも笑顔を浮かべた。
段野社長の一存で山奥の村まで行く事が決定し、仕方なく運転手として参加していた。
美紗が面白い脚本を書いたが、段野社長が内容の通りに殺された事で内容の変更を頼む。
最後は菊乃に殺されてしまうが、美紗の脚本でゾンビとなって目白監督を追いかける。
・段野大場(演:衣緖菜)
代表作に『ら』、『青春夜話/Amazing Place』などがあります。
映画会社の社長。セクシーさを全面的に出している。童貞である目白監督を誘惑して奪おうとしている。
山奥の村にある“呪われた芸者伝説”の雑誌を見せて、次の映画の題材として選んでいた。
美紗も乗り気になっていて、古市や目白監督たちは仕方なく同意してロケハンに行く。
どうしても目白監督の純潔を奪いたくて部屋に来るが、逃げられると菊乃に殺された。
最後は美紗の脚本でゾンビとなってストリップショーをして、客ゾンビに食われてしまう。
・菊乃(演:ナカムラルビイ)
代表作に『ゴーストスクワッド』、『恋の墓』などがあります。
江戸時代に芸者として山奥の村へ出稼ぎに来た。芸者を始めて日が浅かったが、客から褒められていた。
客の男を拒否したせいで他の村人たちが来て襲われ、恨みを持ったまま自殺を遂げていた。
美紗が書いた脚本によって“しかばね芸者”として復活し、恨みを晴らすべく殺戮する。
目白監督の言葉を聞いて自我を取り戻すと、利用していた美紗の右手を切り落とした。
最後はチェーンソーを手にした美紗に倒されるが、車に惹かれた彼女にトドメを刺した。
感想
[個人的な評価]
本作は『ゆうばり国際ファンタスティック映画祭』や『富川国際ファンタスティック映画祭』にて評判となりました。
この作品は俳優として活躍する鳴瀬聖人にとって映画監督デビュー作となります。
元々は鳴瀬聖人監督が大学の卒業制作として作った映画であり、数年経ってからDVD化した作品となっています。
その為、超低予算で作られたゾンビ映画という感じで、長編映画ではなく中編映画という形になっています。
45分しかないので登場人物の深掘りができず、基本的には映像のインパクトとノリで押していくような展開でした。
この作品が倍の90分なら登場人物たちの関係性や深掘りをするだろうから、中編映画として仕方ない部分だと感じました。
ただ、本作はインディーズの自由さが全面的に出ていて、鳴瀬聖人監督がやりたい事をやっているような印象でした。
良く言えば自由であるけど、悪く言えば内輪ネタになっていて、出演者たちが一生懸命やっている感じです。
映像については低予算でやっているから手作り感満載であり、全体的に映画としてはちょっと足りない部分が多かったです。
しかし、これも仕方ない部分として受け入れるべきで、メジャーな作品には出せない色だと言えるだろう。
終盤では主人公が右手を切り落とされ、チェーンソーを手にしてゾンビを倒す姿は完全に『死霊のはらわた』のアッシュでした。
作品として面白いというワケではないけど、若い人たちが作っている勢いと情熱というモノが感じられる内容でした。
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