作品データ
あらすじ
今回は工藤の元に届いたのは、フリーターの櫻井が撮影した自然に溢れた田舎の映像で、そこには儚げな雰囲気を漂わせる美女が映っていた。
美女である川野つぐ巳に心を奪われた櫻井は何度か彼女の家を訪れていたが、母親から虐待を受けている思い覗き込むと世にも恐ろしい光景を見てしまう。
櫻井はつぐ巳を助け出したい思いから依頼されると、工藤はディラクターとして、男として彼を助けようと取材に向かうのだった。
登場人物&出演者
・工藤仁(演:大迫茂生)
近年の出演作に『戦慄怪奇ワールド/コワすぎ!』、『先生!口裂け女です!』などがあります。
映像制作会社のディレクター。櫻井の投稿映像を見た後、彼が本気でつぐ巳を助けたい気持ちを察する。
今回の調査だけじゃなく、櫻井を一人前の男にするべく恋愛指南も同時に行うと宣言する。
櫻井と合流して彼の本気度を確かめ、自分で勝ち取る為に強引なやり方で後押ししていた。
一度諦めるも蛇女になった紗和の襲撃で驚き、取り憑かれた櫻井をコックリバットで撃退。
最後は櫻井があっちの世界に行きたいと見送り、感謝の言葉を言われると驚いて終了した。
・市川実穂(演:久保山智夏)
代表作に『戦慄怪奇ファイル/コワすぎ!』シリーズ、『恋するけだもの』などがあります。
映像制作会社のアシスタント。櫻井からの投稿映像を見て、工藤が恋愛指南する事にツッコミを入れる。
櫻井と合流すると、恋愛指南しようとする工藤の強引なやり方を横から抑えようとした。
つぐ巳の家へ乗り込む前に車へ戻り、工藤がネットで買った蛇が嫌がるニオイ袋をもらう。
収穫がなく帰ろうとして、蛇女になった紗和に襲われると櫻井の囮で脱出しようとした。
最後は櫻井が望んでつぐ巳たちと行く事を見送り、三人から感謝を受けて驚いたまま終了。
・田代正嗣(演:白石晃士)
近年の出演作に『白石晃士の決して送ってこないで下さい』、『戦慄怪奇ワールド/コワすぎ!』などがあります。
映像制作会社のカメラマン。櫻井からの投稿映像を見た工藤と市川を映し、特に何も言わず仕事に徹した。
櫻井に合流する為につぐ巳の家までやって来ると、工藤が焚き付ける姿をしっかりと映す。
つぐ巳の家へ乗り込む前に車へ戻り、工藤がネットで買った蛇が嫌がるニオイ袋をもらう。
一度諦めて帰ろうとして襲撃を受けるが、工藤たちの活躍で櫻井を助け出すところを映す。
最後は櫻井の気持ちを優先させて勇姿をカメラに収め、感謝される言葉に驚いてしまう。
・櫻井恭平(演:水澤紳吾)
代表作に『ぼっちゃん』、『罪の声』などがあります。
フリーターで実家暮らしで38歳の童貞。年に数回短期バイトをしている。普段はゲームとネットをしている。
山で散歩していた時につぐ巳を見つけ盗撮すると、見つかって会話をして楽しんでいた。
苦しむつぐ巳が蛇のような変化していて、工藤たちに依頼して一緒に助け出そうとした。
一度は失敗して帰ろうとしたが、紗和の襲撃で囮になるも取り憑かれて工藤に助けられる。
最後はつぐ巳への気持ちを見せて、一緒にあっちの世界に言って工藤たちに感謝をした。
・川野つぐ巳(演:桑名理英)
近年の出演作に『新宿スワン』、『ジェリー・フィシュ』などがあります。
母親と二人暮らしで体が弱い。山にある川をボーっと見ていた。櫻井の盗撮に気付いて声をかけていた。
櫻井を小バカにするような質問をしていたが、自分は妖怪人間として交流を避けていた。
帰ろうとした時に櫻井がしつこく追いかけていたが、一瞬で姿を消して家へ戻っていった。
夜には苦しむ状態を母親が叩いていたが、体が蛇のように変化した状態を櫻井に見られる。
最後は櫻井の気持ちが本物だと知り、彼をあっちの世界へ連れて工藤たちの前に現れた。
・川野紗和(演:正木佐和)
代表作に『欲望』、『長州ファイブ』などがあります。
つぐ巳の母親。以前は両親と三人暮らしをしていた。両親が事故で亡くなってから一人で住んでいた。
過去にUFOを見たと近所に言うも正気を疑われ、その直後に妊娠してつぐ巳を生んだ。
近所の間では男にレイプされた事で、頭がおかしくなって誰も近寄れなくなってしまう。
娘を折檻していると櫻井が家に乗り込むが、彼の存在を知って包丁を持って追い出した。
最後は櫻井を仲間して消えると、工藤たちの事務所に現れて感謝を述べてから再び消えた。
感想
[個人的な評価]
本作は『戦慄怪奇ファイル/超コワすぎ!』シリーズの2作目となります。
この作品は白石晃士が監督、脚本、撮影、出演などをしています。
「超コワすぎ!」シリーズは現在だとここで止まっていて、ついに2023年に『戦慄怪奇ワールド/コワすぎ!』として最終作を出しました。
前シリーズは7本を作っていたが、今回は実質的に3本となってしまったのは単純に白石晃士監督が忙しかったらしい。
本当ならシリーズ化として作品を多く出してほしかったのですが、白石晃士監督の判断ならば仕方ないと思います。
今回はいつもと違った心霊現象の一方通行ではなく、一人の男の純粋な気持ちにもスポットライトを当てています。
中年のニートに近いフリーターのオッサンが、若い娘と出会って恋に落ちるという展開はベタといえばベタだろうと思います。
ただ、あくまでシリーズはホラーなので、このような恋愛模様を描く事とは遠いジャンルだと言えます。
それをぶっ込んで来るところに白石晃士監督のセンスが光っていて、不器用ながら純真さを貫く中年男は青春をしていました。
そんな中年童貞フリーターを演じる水澤紳吾の演技が非常に良く、本物なんじゃないと思うぐらいの説得力がありました。
一つひとつの動きがまさにそのキャラクターであり、最終的に成長して一人前の男になるところも感動できる部分があります。
これに乗っかった工藤もまたいい感じで脇役として回っていて、しっかりと自分の個性を出しながらも強く前に出ないのも良かったです。
市川が何度も止めていく行動力も素晴らしいし、唯一前シリーズとあまり変わらない田代の職人ぶりも光っていました。
次でシリーズが終わってしまうのは残念ですが、日本映画におけるモキュメンタリーの第一人者である白石晃士監督のセンスが分かります。
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