作品データ
あらすじ
自由の女神が見下ろすニューヨーク湾に無人の帆船が漂着し、船内を探索した湾岸警備隊員がキャビンから突如現れた全身腐乱の大男に噛み殺された。
怪事件の真相を追う新聞記者のピーターは、船の持ち主の娘アンとともに手がかりを求めてカリブ海に浮かぶマトゥール島へ向かう。
だが、その島では原因不明の疫病が蔓延し、死者が次々と蘇り、人肉を求めてさまよう地獄のような光景が広がっていたのだった。
登場人物&出演者
・ピーター・ウェスト(演:イアン・マカロック)
代表作に『魔像ゴーレム・呪いの影』、『人間解剖島/ドクター・ブッチャー』などがあります。
主人公。新聞記者。編集長から指示を受けて、ニューヨーク湾で起きた湾岸警備隊員の怪事件を取材する。
勝手に帆船へ侵入したアンと遭遇し、協力を得る代わりにお互いの情報交換を提示した。
マトゥール島にアンの父親が残した何かがあるとして、船を借りて一緒に調査へ向かった。
島に入ってデヴィッドの妻が食われる現場を見て、診療所まで来てゾンビに応戦していた。
最後は船まで逃げ込むと、ラジオからニューヨークがゾンビの数が増えた事実を聞いて呆然。
・アン・ボウルズ(演:ティサ・ファロー)
代表作に『ビッグ・マグナム77』、『マンハッタン』などがあります。
ヒロイン。腐乱した大男がいた帆船の持ち主の娘。湾岸警備隊員が殺された事で、父親の代わりにやって来た。
父親が行方不明で勝手に帆船を調べると、ピーターと遭遇して情報交換で協力をしていく。
マトゥール島に父親の形跡があると知って、ピーターに引き連れられて一緒に調査をする。
船が壊れてデヴィッドと会って家で妻が食われたと知って、診療所まで逃げてゾンビと戦う。
最後は船まで逃げ込んでブライアンの死を看取ると、ラジオでアメリカのゾンビ化を知った。
・ブライアン・ハル(演:アル・クライヴァー)
代表作に『卒業生』、『未来帝国ローマ』などがあります。
スーザンとともに2ヶ月間の釣りへ出かける。マトゥール島に行きたいピーターたちを乗せて連れて行く。
島の迷信を信じていてピーターたちを降ろすだけで、自分たちは降りないと強く宣言する。
スーザンがダイビングしていると、サメがやって来たと知ってすぐにライフルで応戦した。
マトゥール島でデヴィッドの妻が食われている現場を見て、診療所に避難して応戦していた。
最後はゾンビ化したポーラに黙って噛まれてしまい、船に戻るも死亡してゾンビ化した。
・スーザン・バレット(演:アウレッタ・ゲイ)
代表作に『Brillantina Rock』、『Ombre』などがあります。
ブライアンとともに2ヶ月間の釣りへ出かける。ピーターたちがマトゥール島に行きたいと聞いて表情が曇った。
ブライアンの判断でマトゥール島に行くが、途中でいい場所を見つけてほぼ裸で潜っていた。
サメに遭遇してブライアンに助けを求めるが、ゾンビに遭遇するもなんとか逃げ出していた。
シャフトがサメのせいで故障し、仕方なくマトゥール島に上陸してデヴィッドと合流した。
最後は家でポーラが食べられる現場を見て逃げ出し、土から出てきたゾンビに食われて死亡。
・ポーラ・メナード(演:オルガ・カルラトス)
代表作に『快楽の貴婦人』、『エーゲ海に捧ぐ』などがあります。
デヴィッドの妻。本国との無線が繋がらない状態で島から出られず、夫に疑いを持ちながら不安を抱いている。
夫がワザと無線を破壊してゾンビの研究している事が気に食わず、そのせいで叩かれていた。
診療所でまだゾンビの研究する夫を止めるが、それでも向かう彼を黙って見送るしかない。
家で一人シャワーを浴びてからゾンビの気配に気づき、バスルームに逃げるも追われる。
最後は髪の毛を捕まれ、ドアの破片を右手に突き刺され、そのままゾンビたちの食事になる。
・デヴィッド・メナード医師(演:リチャード・ジョンソン)
代表作に『たたり』、『トゥームレイダー』などがあります。
マトゥール島でブードゥー教のゾンビについて研究している。死体が生き返る原因について研究している。
本国との無線が通じず孤立無援となるが、ゾンビの研究を強行すると妻と口論になっていた。
診療所まで行くと自分の血を使って研究していたが、それでも成果が出ずに頭を抱えていた。
次々と村人が死んでいく中で、戻ってきたピーターたちを迎え入れて銃を取りに行っていた。
最後は油断してゾンビ化した友人に顔を噛み千切られ、倒れたところで食い殺されてしまう。
感想
[個人的な評価]
本作は世界で大ヒットしたジョージ・A・ロメロの『ゾンビ』から影響を受け、ルチオ・フルチ監督が作ったゾンビ映画です。
この作品はイタリアにおけるホラー映画の巨匠であり、スプラッター映画に多大な影響を与えたルチオ・フルチ監督の代表作となります。
ロメロから始まったゾンビ映画の波がついにイタリアまで届き、アメリカとの合作で新たなゾンビ映画を作り出しています。
人間の汚い部分を見せていたロメロと違い、ルチオ・フルチはあくまでゾンビという恐ろしいモンスターを描いています。
その原因はウイルスではなく、説明ができない古来からのブードゥー教由来のモノにしているというところが面白い。
ロメロの『ゾンビ』は放射線による死者が生き返るような科学的な原因だが、ルチオ・フルチはまったく違う呪いという形になっている。
土葬された死体が蘇るので、当然のように腐乱状態で見た目も非常に汚いという点ではイタリアらしい思い切った描写となっている。
あくまで登場人物たちはゾンビの脅威を示す存在であるので、彼らが巻き込まれる理由というのはなんでもいいという感じでした。
しかも、呪いがベースになっているから科学的な証明をすべて捨て去っているので、細かい事について考える必要がない。
土から出てくるゾンビはまさにイメージ通りという感じで、更に生きたミミズが張り付いているからグロテスクさをマシています。
何より腐乱死体なのに人間の肉を簡単に食い千切るシーンも、ルチオ・フルチ監督のこだわりを感じるところがありました。
そして、ラストに主人公とヒロインたちが本国へ帰っていくが、ラジオから絶望的な事実を知るというオチに希望がない終わらせ方も悪くないです。
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