作品データ
あらすじ
人類に恐怖と絶望をもたらした大怪獣が突如死亡し、国民が安堵する中、今度は腐敗による大爆発の危険性が高まっていた。
にわかに大怪獣の死体処理という前代未聞の難題が政府の前に立ちはだかり、首相直轄の組織である特務隊の隊員・帯刀アラタが死体処理の極秘ミッションを任せられる。
そして、ミッションにはアラタの元恋人でもある環境大臣秘書官・雨音ユキノも深く関わっていくのだった。
登場人物&出演者
・帯刀アラタ(演:山田涼介)
近年の出演作に『鋼の錬金術師』シリーズ、『燃えよ剣』などがあります。
主人公。政府直轄の特殊部隊「特務隊」に所属する特務隊員。怪獣が謎の青い光に倒れて表舞台に出てくる。
隊長から死体処理の現場責任者に任命され、様子を見に来たユキノと再会を果たしている。
当初は政府の意向で死体を保存するように動くが、破裂する事が判明して処理を早めていく。
水で海に流す作戦を取るが、正彦の策略で失敗してブルースが意識不明になって解任される。
最後は八見雲の方法を自力で試すも失敗し、青い巨人に変身して死体を宇宙へ持ち去った。
・雨音ユキノ(演:土屋太鳳)
近年の出演作に『鳩の撃退法』、『哀愁しんでれら』などがあります。
ヒロイン。環境大臣秘書官。アラタの元恋人でかつて特務隊に所属していた。仕事で怪獣の死体を見に行く。
帰宅して夫がしばらく家に帰れないと言われ、環境大臣と現場に行くとアラタと再会をする。
環境大臣の下で情報収集をしていき、死体から放出されるガスは無害だというデータを取る。
実際は正彦の策略でガスに未知の菌があると知り、アラタとともに八見雲の作戦を実行する。
最後はアラタが一人で行く事を許さず現場に来ると、彼が青い巨人に変身して敬礼をした。
・雨音正彦(演:濱田岳)
近年の出演作に『湯道』、『七人の秘書/THE MOVIE』などがあります。
総理秘書官。ユキノの夫で元特務隊の隊員。情報収集能力に秀でている。アラタにライバル心を持っている。
謎の青い光で怪獣が倒され、死体処理について閣議会議が始まる前に総理大臣のメモを見た。
3年前に青い光をユキノと追っていたが、車が横転したせいで右足をケガして義足となった。
裏で動いてブルースたちの作戦を失敗させるようにして、八見雲の作戦を自分で行っていく。
最後はミサイルを死体に直撃させ、アラタが青い巨人に変身して正体を知ってスッキリした。
・椚山猫(演:SUMIRE)
代表作に『サラバ静寂』、『妖怪大戦争/ガーディアンズ』などがあります。
政府直轄の特殊部隊「特務隊」に所属する女性の特務隊員。特務隊で一番の狙撃の腕を持っている。
当初は進入禁止エリアに飛んでくるドローンを撃ち落とす任務で、確実に撃墜させていた。
戻ってきたアラタの部下として任務に不満を持つが、死体処理の任務になって現場に出る。
政府が死体の排除に方針を変えると、八見雲の作戦にミサイルが必要だと発言していた。
最後は暴走する正彦を止める為にユキノと一緒に動き、ミサイルをロケット砲で撃ち落とす。
・ブルース/青島涼(演:オダギリジョー)
近年の出演作に『ぜんぶ、ボクのせい』、『アジアの天使』などがあります。
ユキノの兄。ドレッドヘアが特徴的な元特務隊の隊員。現在は独自の爆破チームを率いて爆破解体などをしている。
3年前に突然として姿を消したアラタに落胆して、それ以降は特務隊を辞めていたという。
ダムを爆破する作戦で唯一頼れる人物としてアラタが来ると、怒りの拳を放って追い返した。
行きつけの食堂がダメになると知って、作戦を実行するも正彦の策略により失敗してしまう。
最後は爆破をして意識不明になるが、もしもの時に八見雲の作戦を事前にアラタへ託した。
・武庫川電気(演:染谷将太)
近年の出演作に『すずめの戸締まり』、『唐人街探偵/東京MISSION』などがあります。
迷惑系動画クリエイター。怪獣の死体がある禁止エリアまで侵入し、ドローンを使って撮影を行っていた。
特務隊の山猫による狙撃でドローンを撃ち落とされるが、それでも諦める事を知らなかった。
ダムの水を放出する事で海に流す作戦で立ち退きせず、間近で独占的に撮影をしていた。
作戦の失敗でガスが周囲に撒かれてしまい、国防軍に見つかって隔離施設に送り込まれた。
最後は全身にキノコが生えた状態になり、アラタたちに危険を知らせるサンプルとなる。
・八見雲登(演:松重豊)
近年の出演作に『ファミリア』、『大川と小川の時短捜査』などがあります。
町工場の社長。見た目がホームレス。怪獣の死体から出るガスを見ていて、独自に排出方法を考えていた。
特務隊の本部までやって来ると、責任者となっていたアラタに対してガスの排出を説明した。
元々は焼肉で使う排煙装置を作っていて、その原理を使えばガスを成層圏まで飛ばす話す。
最後は正彦に保留されるが、そのような時間はないとして落ち着いてコーヒーを飲んでいた。
・蓮佛紗百合(演:ふせえり)
代表作に『屍人荘の殺人』、『コンビニエンス・ストーリー』などがあります。
環境大臣。怪獣が謎の青い光によって倒され、死体となった時に環境省として調査をして報告していた。
総理大臣から後始末について閣議会議が展開されると、適当な言葉尻にツッコミを入れた。
国防大臣と対立するような状態になっていて、他の大臣ともに死体の処理について話し合う。
死体現場までやって来ると、無害だという事をテレビで伝えるも落ちてパンツを全国に披露。
最後は抵抗する国防大臣を投げ飛ばし、菌に感染しているも気付かずユキノが処理していた。
・五百蔵睦道(演:岩松了)
近年の出演作に『サバカン/SABAKAN』、『コンビニエンス・ストーリー』などがあります。
国防大臣。怪獣に対して多くの兵器を使ってきたが倒せず、謎の青い光で倒された事で戸惑っていた。
死体処理の閣議会議になると、特務隊が引き継ぐと知って根っから嫌っていると主張する。
環境大臣が出しゃばって死体処理について動き回るが、ガスの危険を知って出番だと主張。
小型ミサイルでの破壊をすぐに提案するも却下され、八見雲の作戦を横取りしようとした。
最後は総理大臣に処理を強引に願っていると、ブチ切れた環境大臣に投げ飛ばされていた。
・西大立目完(演:西田敏行)
近年の出演作に『いのちの停車場』、『新解釈・三國志』などがあります。
内閣総理大臣。謎の青い光によって怪獣が突然死亡し、残された死体の処理について閣議会議を行っていた。
怪獣を倒した謎の青い光よりも、観光客による経済効果を知って見世物にすると決定する。
当初は死体を保存しようとするも失敗して、臭いガスが発生する事から排除に切り替えた。
ガスから有害な菌が発生すると聞くも国民に黙っていて、安全だと大々的に発表していた。
最後はユキノが情報を漏洩させて政府の信頼を落とされるが、青い巨人によって救われた。
感想
[個人的な評価]
本作は『転々』や『俺俺』で知られる三木聡が監督と脚本を務めています。
この作品は『ゴジラ』シリーズで怪獣造形を担当した若狭新一が参加しています。
『シン・ゴジラ』や『シン・ウルトラマン』のヒットを受けて、違った視点で怪獣をテーマにした作品として期待が大きかったようです。
しかし、実際に蓋を開けてしまうと、まったく違った方向性で多くの観客をガッカリさせた内容となっていました。
酷評が過ぎて「令和のデビルマン」とも揶揄されるぐらいになっているが、実際はそこまでじゃないと思いました。
まず、本作のスゴイところはアイデアの着眼点で、今までありそうでなかった物語に大いなる可能性を感じさせてくれます。
そこに豪華なキャストと邦画として大きな予算を獲得している事から、多くの人がエンターテイメント作品として期待したのでしょう。
ですが、実際は小学生も笑わないような下ネタの連発、オヤジギャグ、微妙な間合いなど、脚本と演出が最低レベルになっています。
ここまでやっているのは逆にワザだと思わせるほどで、シリアスな雰囲気の『シン・ゴジラ』を逆手に取った炎上商法にも見えました。
そもそも、本作は最初から真面目にやるような雰囲気がなく、完全に怪獣映画をおちょくっているような印象しかなかったです。
近年で外国でも認められるようになった怪獣映画だが、本作は敢えてつまらないギャグで固める事で独自性を出そうと思っていたのだろう。
それが大きな裏切りになったのは言うまでもなく、面白い怪獣映画を期待した観客を小バカにしているようにさえ見えてしまうのです。
確かに話題となって興行収入も一時的に増えるかもしれないが、このようなやり方は今後の未来を考えれば止めるべきだと思います。
炎上商法など一時的な話題性を持たせるが、コンテンツ自体を急速に先細りにさせる悪い効果しかないと危惧しています。
ネタとして本作はいいかもしれないが、似たような手法が増えてくると邦画は急速にダメになるという危なさを警鐘するような作品だと思いました。
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