作品データ
あらすじ
社会の勝ち組として富を独占する富裕層の家を狙い、自己顕示欲を丸出しにした作品を残すグラフィティ・アーティストとして名を馳せる2人の若者。
しかし、そのコンビの活動も片方の家庭事情で成り立たなくなり、やむを得ず単独で行動する事になった。
ところが、ある家の隠し地下室で衝撃の秘密を知ってしまい、中途半端な正義から想定外の決断を迫られる事になるのだった。
登場人物&出演者
・トビー・ニーリー(演:ジョージ・マッケイ)
代表作に『はじまりへの旅』、『1917/命をかけた伝令』などがあります。
リジーの一人息子。父親がすでに亡くなっていて、母親とは非常に仲が悪く23歳になっても反抗期となっている。
美術大学を辞めて、仕事も続かず、ジェイと組んで富裕層の家に侵入して盗みを働いていた。
ジェイに子供ができる為に盗みを拒まれ、一人でブレイク卿の家に侵入して男の監禁を知る。
警察に通報するも警察署長と知り合いのせいで捜査されず、ジェイを頼るも断られてしまう。
最後は単独で監禁された男を助けようとするが、捕まって骨も残らないように処分された。
・リジー・ニーリー(演:ケリー・マクドナルド)
代表作に『トレインスポッティング』シリーズ、『ノーカントリー』などがあります。
トビーの母親。大学でカウンセラーをしている。夫が亡くなってシングルマザーとなるも息子とはケンカばっかり。
反抗期の息子を抱えきれず反論されて家を出ていかれるが、帰って来ず警察やジェイを頼る。
ブレイク卿が警察署長とのコネがあるせいでロイド刑事が諦め、自分で調査するようになる。
ジェイたちがやっていた事を知ると、トビーがブレイク卿と関係があるとして監視していた。
最後はジェイの協力が得られず、一人でブレイク卿の家に入るも捕まって遺体を処分された。
・ジェイ/ジャミール・アガシ(演:パーセル・アスコット)
代表作に『僕と世界の方程式』、『ザ・ウィークエンド/あぶないお金の行方』などがあります。
トビーと組んで富裕層から盗みを働いていた。過去に反対活動などで服役した経験を持ち、警察からマークされている。
ブレイク卿に目をつけたトビーから仕事を持ちかけられるが、恋人の妊娠で拒否してしまう。
トビーが行方不明になると、ブレイク卿との関係性からリジーに黙って手がかりを渡した。
ブレイク卿の家に侵入したいリビーの頼みを断るが、そのせいで彼女が行方不明になり後悔。
最後はナズと別れるが、リビーの為にブレイク卿を襲って真実を知って警察に逮捕させた。
・ナズ/ナセリーン・ラヒーム(演:ヴァラダ・セイスー)
代表作に『真夏の夜の夢』、『ジュラシック・ワールド/新たなる支配者』などがあります。
ジェイの恋人。弁護士になる為にロースクールへ通う。ジェイとの妊娠が発覚して両親から勘当される。
トビーが助けを求めて来るもジェイが断っていたが、真相を教えてもらえずに疑っていた。
ジェイが何かを隠していると知っていて、リジーが訪ねてトビーの話しから更に疑いを持つ。
結局ジェイから真実を聞き出す事ができず、もう元に戻らないとして赤ん坊を一人で育てる。
最後は論文をブレイク卿が読む事になるとジェイに話し、遠回しながら彼に協力をしていた。
・エラ・ロイド刑事(演:フランク・アッシュマン)
代表作に『ニル・バイ・マウス』、『招かざる隣人』などがあります。
息子が行方不明になったリジーから捜索の担当をする。単なる家出としてあまり真剣に取り合っていなかった。
リジーが持ってきたブレイク卿の手紙から疑いを持ち、家宅捜索で脅されて緊急逮捕をした。
警察署長と知り合いだったブレイク卿が釈放され、それでも疑いの目を持って捜査を続ける。
上からの圧力を受けてしまい、それ以上の捜査ができないとしてリジーに仕方なく報告した。
最後はジェイのおかげでブレイク卿の悪事が暴露され、ようやく逮捕できる事に喜んでいた。
・ヘクター・ブレイク卿(演:ヒュー・ボネヴィル)
代表作に『パディントン』シリーズ、『ダウントン・アビー』シリーズなどがあります。
高等法院の元判事。法制度委員会で司法の平等性を訴えていて、世間からヒーローのような扱いを受ける。
その正体は父親との確執を生んだ移民に対する憎悪を持ち、監禁して拷問を与える顔を持つ。
トビーに正体がバレて監禁された男を救おうとしたが、捕まえて遺体を燃やし証拠を消した。
続けてリジーに関しされていると知り、罠を張って彼女を息子たち同様に処分して家を出た。
最後は真相を知ったジェイの襲撃に遭って捕まり、ロイド刑事によって悪事が表沙汰になる。
感想
[個人的な評価]
本作はNetflixで独占配信された作品となります。
この作品は『アンダー・ザ・シャドウ』や『ワウンズ:呪われたメッセージ』で知られるババク・アンヴァリが監督を務めています。
昔から王道的な白人のオッサンが金持ちの上に権力を持っていて、貧乏な主人公たちが彼らの悪事を暴くという流れになります。
本作で面白い試みとして、巨大な悪を倒そうとした主人公が返り討ちに遭って、交代していく展開になるだろう。
最初の主人公は23歳になって反抗期という恥ずかしいタイプで、富裕層の家に侵入して盗んで正義を果たしているというキャラクターでした。
ハッキリ言って、このキャラクターが最後まで主人公をやっていたら、本作は相当の駄作になっていたと思います。
やりたい事は分かるけど、やり方が完全に間違っていて、母親とも仲良くできないヤツが世直しなんてギャグにしかならない。
で、次の主人公がその母親で消えた息子を探す為に分かりやすい監視をして、一人で乗り込むも結局は殺されるという頭の悪さでした。
この親子が巨悪に殺されたのは残念であるけど、どちらの性格や行動に問題があって、あまり共感できる感じではなかった。
三人目の主人公は家庭を守ろうと親友と母親のような存在を失い、更に恋人や子供まで手放すという事で義理を果たそうと立ち上がる。
こちらも巨悪を一発で倒せず、危うく返り討ちに遭いそうになるもなんとか逆転し、ついに目的を果たす流れになました。
相手は老人で自分勝手な理由で人を殺しているような人間だが、それを暴こうとする側もまたあまり頭が良くないから少しイラッとします。
特に主人公となる親子の設定をもう少し同情や共感を与えるような感じになぜしなかったのか疑問が残りました。
オチについてもあっさりしすぎて、それまで溜まっていた悪役への苛立ちをスッキリと解消させるほどじゃなかったのも詰めが甘いと感じました。
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