作品データ
あらすじ
投資会社に勤める凄腕ディーラーのジェームズは、社長の娘アリッサとの結婚も決まり、公私ともに順風満帆な人生を歩んでいた。
ところがある日、身に覚えのない詐欺罪で逮捕され、懲役10年を言い渡されてしまう。
凶悪犯だらけの刑務所に恐怖を覚えてしまったジェームズは、知り合いの黒人男性ダーネルに刑務所暮らしの心得を教えてもらおうとするのだった。
登場人物&出演者
・ジェームズ・キング(演:ウィル・フェレル)
近年の出演作に『ユーロビジョン歌合戦/ファイア・サーガ物語』、『ダウンヒル』などがあります。
主人公。投資会社に勤務する凄腕のディーラー。ハーバード大学を卒業し、マーティンの娘アリッサと婚約していた。
パーティの時に詐欺容疑で逮捕され、司法取引を断って法廷で戦うも有罪判決を受けていた。
刑務所を生き抜く為にダーネルから訓練を受けて、ナイフなどを尻の穴に隠す成長を見せる。
マーティンが黒幕だと言われ、反撃に出ようとするもゲイルからダーネルの素性を知った。
最後はマーティンの悪事を公表し、銃の不法所持で半年服役し、出所してダーネルと親友に。
・ダーネル・ルイス(演:ケヴィン・ハート)
近年の出演作に『ミー・タイム』、『マン・フロム・トロント』などがあります。
「ハリウッド洗車工場」を経営している。ボロボロの家に住んでいて、事業拡大の為に投資を求めていた。
常連客のジェームズから刑務所で生き抜く訓練を頼まれ、経験がないと言えず引き受けた。
従兄弟のラッセルから話しを聞きながらジェームズを鍛え、限界まで追い込んで訓練をした。
マーティンが黒幕だとジェームズに話し、パソコンを押収しようとして素性をバレてしまう。
最後はジェームズと和解して容疑が晴れて、彼から資金提供を受け工場を拡大して成功した。
・リタ・ルイス(演:エドウィナ・フィンドリー)
代表作に『レッド・テイルズ』、『インシディアス/第2章』などがあります。
ダーネルの妻で看護師。夫の強引な取引する電話からメチャクチャだと話し、娘に悪影響だとやんわり注意する。
ジェームズから刑務所の訓練を施す事になると聞いて、経験がない夫にはムリだと釘を刺す。
頭にナイフが刺さったジェームズが家まで来ると、応急処置してそのまま夕食に招待した。
夫が刑務所に入った原因を説明させる無茶振りをさせて、映画の内容だと分かり笑っていた。
最後は事件が解決してジェームズの凍結された資産が解除され、夫の工場が拡大して喜ぶ。
・ラッセル(演:T.I.)
代表作に『アントマン』シリーズ、『モンスターハンター』などがあります。
ダーネルの従兄弟。「クレンショウ・キングス」というギャングをまとめるカリスマ的な存在となっている。
過去に何度も刑務所に入っていて、ジェームズの訓練したいダーネルから連絡を受けていた。
刑務所に入ってからジェームズを守る為に頼まれ、投資家としての分析が役に立つと迎えた。
人種の違いで刑務所で守れないとして、同じ白人至上主義者たちに連絡を取って紹介した。
最後はギャングになろうとしたジェームズを迎えたが、ダーネルに止められて結局諦めた。
・ゲイル(演:ポール・ベン=ヴィクター)
代表作に『マキシマム・リスク』、『デアデビル』などがあります。
マーティンに雇われる始末屋。ジェームズがダーネルを雇っているという事が発覚し、身辺調査に駆り出される。
自宅で刑務所を生き抜く訓練するジェームズを監視しながら、ダーネルの素性を調べていた。
ジェームズたちが古いパソコンを奪おうとして止めて、ダーネルの素性をバラして立ち去る。
仲違いしていたジェームズとダーネルが再びタッグを組み、パソコンを奪いに来て対応した。
最後は覚醒したジェームズのカポエイラで部下が倒され、踏み込んだ警察に連行されていた。
・アリッサ・バロー(演:アリソン・ブリー)
代表作に『スクリーム4:ネクスト・ジェネレーション』、『ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書』などがあります。
マーティンの一人娘でジェームズの婚約者。金持ちである事が好きで、エリートのジェームズを認めている。
基本的に仕事をまったくせず、父親から甘やかされて育っているせいでワガママを貫き通す。
ジェームズが有罪となって家を出ていると、メキシコでの逃亡を提案されるも別れを告げた。
実は父親からジェームズを罠にハメて会社の損害を被せる計画を途中で聞かされていた。
最後はジェームズとダーネルの反撃で父親が逮捕され、弁護士を送ると言って逃げ出した。
・マーティン・バロー(演:クレイグ・T・ネルソン)
代表作に『ポルターガイスト』シリーズ、『ソウル・サーファー』などがあります。
ジェームズが勤務する投資会社の経営者。会社に莫大な利益をもたらしたジェームズを共同経営者に迎えた。
一人娘とのアリッサと結婚するジェームズを義理の息子としても迎え、より親密になった。
ジェームズが詐欺の容疑で逮捕されると、真犯人を見つける為に調査をすると約束した。
実は株で会社が大損害を受けていて、すべてをジェームズのせいにして濡れ衣を着せていた。
最後はパソコンのデータを警察が押収され、ジェームズの罪が晴れて代わりに有罪となった。
感想
[個人的な評価]
本作はイータン・コーエンにとって映画監督デビュー作となります。
この作品は日本国内では劇場公開されず、アマゾンプライムビデオにて配信されました。
ウィル・フェレルが主演した作品は観た事があるようで、実は観た事がないので新鮮な気持ちで鑑賞に臨みました。
今のポリコレが蔓延る映画界と真正面からかち合う設定であり、エリートの白人と貧困層の黒人という構図は懐かしさすら感じさせる。
主人公はハーバード大学を卒業するほどのエリートで、会社の社長と共同経営者となって、その娘との結婚が控えるなど勝ち組の枠に入る。
ただ、パーティの最中に詐欺の容疑で逮捕され、司法取引を蹴って法廷で戦うも有罪となって懲役1年から10年になってしまうような状態になる。
当然ながら暴力とは無縁だった主人公が刑務所での生活に危機を感じると、洗車していた黒人の知り合いから生き抜く為の訓練を受けるという流れになる。
ウィル・フェレルは少しマヌケな白人男性を演じて、真面目に訓練を受けていく中で、その対応能力を発揮して強くなっていく展開が面白い。
もちろん、そんな主人公を鍛えていくケヴィン・ハートの役がちょうど良くて、いつもは巻き込まれるようなパターンとは少し違って上手くハマっています。
エリートな勝ち組とは真逆の環境に置かれた主人公の覚悟を感じる事ができて、真面目だからこそ行き過ぎるようなところも面白いと感じました。
アメリカではどうしてもデータだけじゃなく、見た目から判断されるところがあるので、それを逆手に取った構図はずっと楽しめる。
物語のテンポも余計なロマンスで邪魔される事なく、ちゃんと主人公の成長と訓練してくれる相棒との信頼関係を築いていく構成は秀逸だと感じました。
ラストに用意される主人公の一発逆転は王道でありながらも、安心できる結末として、二人の友情に少しの感動すら与えてくれました。
やはり、ケヴィン・ハートの出演作は安定して面白く、ウィル・フェレルは今後注目してもいい俳優だと感じました。
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