作品データ
あらすじ
ミステリアスな事故の後、若者は通常の重力法則が無視された異様な世界で目を覚ます。
そして、謎の黒い怪物に襲われかけた若者はヤンという男が率いる集団に助けられた。
ここにいるのは現実世界で昏睡状態に陥った人間ばかりで、この世界は彼らの記憶で創り上げられていると教えられるのだった。
登場人物&出演者
・ヴィクター(演:リナル・ムハメトフ)
近年の出演作に『アトラクション/侵略』、『アビゲイル/クローズド・ワールド』がある。
主人公。現実世界では売れない建築家。宗教団体との契約できず交通事故で昏睡状態になる。
異様な世界で目を覚ますと、ファントムが率いる部隊に助けられ安全な場所に到着する。
ファントムの強引なやり方で能力を引き出されようとするが、結局は何もできずにいた。
建築家としての能力から建物を創り出し、現実世界に戻りヤンからの取引に応じた。
最後は自力で現実世界に戻り、別れた妻だったフライを助け、宗教団体との密約を交わす。
・フライ(演:ルボフ・アクショノーヴァ)
代表作に『ナイト・ガーディアンズ』、『サリュート7』などがあります。
ヒロイン。現実世界で看護師。実はヴィクターの別れた妻。能力はケガを瞬時に治療する。
ヴィクターよりも早く昏睡状態となったせいで、異様な世界で彼より数ヶ月前に来る。
異様な世界に来たヴィクターを助けると、ヤンの予言を信じてすぐに彼に惹かれていく。
現実世界ではクズだったヴィクターに愛想を尽かしていたが、記憶が戻って考えを改める。
最後は自力で現実世界に戻ったヴィクターに助けられ、以前と違って彼を理解していた。
・アストロノマ(演:ミロシュ・ビコヴィッチ)
代表作に『スピードトラップ』、『バルカン・クライシス』などがあります。
異様な世界の地図を描く。相手との距離を正確に把握する。現実世界では極度の虚弱体質。
ヴィクターを助け出す為に急遽地図を描いたが、お粗末な内容にファントムに怒られる。
ファントムがヴィクターの能力を引き出そうとするやり方に、ヤンの反応を見ていた。
無茶な作戦をしたファントムを批判し、魚雷を手に入れる作戦では隊長を命じられる。
最後はヤンの裏切りからヴィクターに協力し、島まで行くが、時間が足りず消滅した。
・スピリット(演:ポリーナ・クズミンスカヤ)
代表作に『Viktor』などがあります。
異様な世界ではリーパーを感知できる。現実世界では子供を失って絶望していた。
ヴィクターを助ける為にパイロットが犠牲となり、強引な作戦のファントムを責めた。
ファントムがヴィクターの能力を引き出す際、特に何も言わずに呆然と見ていた。
魚雷を取りに行く為に同行すると、警戒する異様な世界の人間を撹乱して倒していく。
最後はヤンから話しを聞き、戻りたくないと話すも、人工呼吸器を止められて消滅した。
・タンク(演:ヴィレン・バビチェフ)
代表作に『ロシアン・スナイパー』、『トラップ・ゲーム』などがあります。
異様な世界では屈強な肉体を持つ。現実世界では自暴自棄な生活からヤンに助けられた。
ファントムにとって最も信頼する仲間で、何かあると必ず名前を呼ばれて忠実に従う。
魚雷を取りに行く際、重火器を手にして襲われそういなったヴィクターを助け出す。
住民たちを島に連れて行く時も武装して、襲ってくるリーパーたちの撹乱をしていた。
最後はヤンの計画をすべて聞き、全員の人工呼吸器を止められ、最初に消滅してしまう。
・ファントム(演:アントン・パンプーシュニー)
代表作に『ガーディアンズ』、『バルカン・クライシス』などがあります。
異様な世界では超人的な身体能力を持つ。現実世界では両足が切断された状態にある。
ヴィクターを見つける為にパイロットを犠牲になり、スピリットに責められるも認めず。
フライに片思いするが、彼女がヴィクターに惹かれていると分かって悪態をつく。
リーパーに傷つけられしまい、徐々に記憶が蘇ってくると、ヤンが危険人物だと認識した。
最後は現実世界で脳死してリーパーとなるが、ヴィクターのピンチにヤンを消滅させた。
・ヤン(演:コンスタンチン・ラヴロネンコ)
代表作に『ヴェラの祈り』、『ワールドエンド』があります。
異様な世界で指導者として君臨する。現実世界では宗教団体の教祖で計画を持っている。
1000倍も長生きできる異様な世界に魅了され、ヴィクターを使って島の建造を考える。
意図的に昏睡状態となる事で異様な世界を行き来し、目覚めたヴィクターに話しをする。
ヴィクターとの取引で島を建造させるが、秘密の保持として全員の抹殺を計画した。
最後は島に乗り込んだヴィクターを迎え撃つが、リーパーとなったファントムに殺された。
感想
[個人的な評価]
本作はみんな大好きアルバトロスが配給したロシアのSF映画となります。
近年ではロシアのSF映画が盛り上がっていて、その先導をした『アトラクション』シリーズは記憶に新しいです。
ハリウッドにも負けず劣らずの高いクォリティのCGが素晴らしく、これだけでも充分に対抗できると思います。
そんな本作は映像に支えられながらも、ちょっと違った視点からの設定は面白いと感じた。
人間が昏睡状態となっている間、別の世界で全員が繋がっているアイデアは面白いし、数人が特殊な能力というのもワクワクさせられる。
もし、自分がその世界に行ってしまったら、どんな特殊能力を持てるのかと容易に想像させるところがいいと感じました。
しかし、本作は物語がスタートして主人公がよく分からない世界に行くと、そこで何者かに助けられます。
更にその中にいる女性から熱烈なアプローチを受けて、指導者から必要な人物として一人が犠牲になってしまう。
ちょっとした既視感を持っていたが、これはどう考えても『マトリックス』の展開にかなり似ていました。
主人公は状況が分からないけど、実は重要人物でヒロインがアプローチしてくる点など、完全にロシア版『マトリックス』だと感じた。
ただ、映像革命を起こした『マトリックス』ほどのパワーがなく、高いクォリティだけど、何か足りない状態がずっと続いています。
ロシア映画というのはなんだかんだで男女の恋愛を中心に動くので、本作も同じようなパターンにハマったせいで世界観の良さを潰しているように感じた。
わざわざロシア映画はそういう制限をつけるせいで、ハリウッドみたいな大きなスケールにできない弱点があると思います。
本作は設定や世界観に大きな可能性を持っていたのに、使い古された男女の恋愛に落ち着いてしまったのは本当にもったいないと感じた。
ハリウッドでリメイクしたら、可能性のある設定や世界観がもっと優先され、スパイス程度の恋愛模様もバランス良くなるだろうと思います。
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