作品データ
あらすじ
シェアハウスで暮らすノエル、ジョシュ、デヴィン、リーナの4人はアプリ開発で一攫千金を狙うが、売り込みに行った企業から厳しい条件を出されてしまう。
時間が足りないと焦った4人はシェアハウスで屋根裏部屋を発見し、そこには大きな鏡があり、触れると鏡面へ吸い込まれると、同じような世界が広がっている事が判明する。
そこは自分たちも存在する並行する別次元だと知り、4人は時間のスピードが違う事に気付くいてビジネスに利用し、やがて暴走していくのだった。
登場人物&出演者
・デヴィン(演:アムル・アミーン)
代表作に『エビデンス/全滅』、『メイズ・ランナー』などがあります。
アプリ開発チームの一人。プログラマー。過去に何度も会社を転々とする。父親を犯罪者呼ばわりして後悔する。
駐車アプリの納期が不可能なほど早くなってしまい、失敗だと判断して逃げ出そうとした。
パラレルワールドに通じる鏡を見つけると、アプリの完成に使えるとしてノエルの案に賛同。
自由に使える大金を手にして贅沢するが、個人的に生きている父親を別次元でずっと探す。
ジョシュが死んで代わりを連れて来たノエルの行動に納得ができず、父親の助言で立ち直る。
個展を開いたリーナの元にやって来ると、彼女に告白して一夜を過ごして心を通じ合った。
翌朝に姿を消して遠い場所にいたが、すでにノエルの手で本物が消され別次元の人間と判明。
ノエルから会社の買収などを聞かされ、一人だけ旅立つ事になるもリーナが来て真実を知る。
最後はスマホの動画で真実を知り、リーナを助け、発明品を匿名で提供して二人で旅に出た。
・リーナ(演:ジョージア・キング)
代表作に『ロンドンゾンビ紀行』、『マッド・ドライヴ』などがあります。
アプリ開発チームの紅一点。元々は画家を目指すが挫折している。過去にノエルと付き合うも相性が悪く別れる。
駐車アプリが上手くいかなかった事を察知し、離れようとしたデヴィンをみんなと説得する。
ジョシュのブチ切れで壁に穴が空くと、その先にある屋根裏部屋を見つけて鏡の存在を知る。
以前の家の持ち主が残した日記を読んでいたが、次第に狂っている様子を知るも気にせず。
パラレルワールドで自分の世界に存在しない絵を見て、それをパクって大絶賛されていた。
自分の作品じゃないと苦悩していくと、それを理解してくれたデヴィンと肉体関係を持った。
ノエルがジョシュに続いてデヴィンの代わりを用意したと知り、なんとか止めようとする。
暴走するノエルの危険さを知って強引に止めようとするが、結局彼に勝てず説得されていた。
別次元のデヴィンが駆けつけてノエルを倒し、鏡を壊すべきだとして斧で勢いよく破壊した。
最後は発明品を匿名で提供し、二人で旅に出るも別次元の自分に殺されて入れ替われていた。
・ジョシュ(演:マーク・オブライエン)
代表作に『メッセージ』、『ホテル・エルロワイヤル』などがあります。
アプリ開発チームの一人。プログラマー。短気で挑発されるとすぐにキレるが、毎度ノエルに止められている。
駐車アプリの納期が早すぎる事で諦める状況に、一人だけ熱くなってモノに当たってしまう。
鏡を見つけるヒントとなって積極的に動いて、パラレルワールドの存在を気づかせる事に。
ノエルと同じくルール無用な状況を利用してやりたい放題し、札束を爆破する夢を叶えた。
別次元のカルメンとイチャイチャするが、恋人に見つかって撃たれて大量出血で死亡する。
ノエルの意見で別次元から連れてこられるが、事情が分からず転職させられて喜んでいた。
次第に自分の記憶と現実の違いに精神を病んでいき、リーナに相談して不安定さを露呈した。
ノエルがやっている事を調べてもらい、自分を安く売ったとして気に食わず家に戻ってきた。
最後は鏡の秘密を知って別次元のノエルを撃つが、本物が来てしまい逆に殺されてしまう。
・ノエル(演:マルティン・ヴァルストロム)
代表作に『ピュア/純潔』、『シンプル・シモン』などがあります。
アプリ開発チームの一人。プログラマーでプレゼンの陣頭を執っている。以前はリーナと付き合うも別れている。
駐車アプリを開発してプレゼンするが、早すぎる締め切りに頭を抱えデヴィンと口論した。
屋根裏でパラレルワールドに繋がる鏡を発見すると、早くも自分たちに有利な活用法を考案。
次第に横暴となっていく行動でデヴィンから不信感を持たれるが、裏でコソコソと動き回る。
ジョシュが死んでしまうと、代わりをパラレルワールドから連れてくる案で主導権を握る。
パラレルワールドから集めた未知の発明品でエジソンを目指し、邪魔なデヴィンを排除する。
もう一人の自分と結託して発明品を集めるが、混乱するジョシュが邪魔をして仕方なく処理。
リーナを説得するも裏切られ、別次元のデヴィンに撃たれ、鏡の中に逃げて治療していた。
最後は戻ろうとするもリーナに鏡の機能を無効化され、体が真っ二つになって死亡した。
感想
[個人的な評価]
本作は『パラドクス』や『ダークレイン』で知られるイサーク・エスバンが監督を務めます。
この作品は『ジョーカー』や『ゴーストバスターズ/アフターライフ』の製作会社が製作として参加しています。
イサーク・エスバン監督は時間を使った映画が得意であり、衝撃的な印象を残した『パラドクス』は空間と時間を使って表現していました。
本作では鏡の向こう側の世界を使い、パラレルワールドとして時差を利用して主人公たちが成功していくという流れになります。
もしも、ルールがない圧倒的な力を手に入れた場合、人間はどこまで愚かになるのか丁寧に描いていたと思います。
当初は自分たちが努力を実らせる為だけに使っていたパラレルワールドだが、次第に横暴となってモラルというモノがなくなっていきます。
やはり、社会ではルールがあるからこそ秩序があって、人々は平穏に暮らしていけるという事がよく分かります。
何も止めるモノがないような状況では、人間はどこまで欲深くなって、すべてを思い通りしたくなる危険さを同時に見せてくれています。
これはイサーク・エスバン監督が作っていた映画の中で共通しているモノであり、人間が時間を操るようになった時の怖さを描写しています。
権力を手に入れた時の人間は怖いと歴史が物語っているが、それを時間という圧倒的な力になるとモラルが大きく欠如するのは必然かもしれない。
その中でストップをかけてモラルに従っていく人間もまた、一つの違いとして明るい答えを見せてくれています。
ルールのないような過大な力を入れたら、自分はどうするのかと考えさせてくれる作品でもあり、登場人物たちの行動がそれぞれの答えを見せていました。
果たして自分はどこまで理性とモラルを保って過大な力を使うのか、それとも危険だとして封印してしまうのか、ここは実際に体験しないと分からない。
それを考えると、本作は物語以上のモノを鑑賞している側に与えており、そういう意味では非常に深い作品だと思いました。
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