作品データ
あらすじ
不治の病で余命僅かと宣告されたサラは、医師から残された家族の心を癒やす為のプログラム“リプレイスメント(継承者)”を紹介される。
それは自分のクローンを残して家族とともに変わらない日々を送らせるプログラムで、サラは一緒に引き継ぎ期間を過ごすも奇跡的に病気が完治する。
法律でクローンとの共存が禁じられていたが、クローンも生存を主張したせいで決闘裁判によりどちらかが死ぬまで対決する事を余儀なくされるのだった。
登場人物&出演者
・サラ(演:カレン・ギラン)
近年の出演作に『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:Volume3』、『ソー:ラブ&サンダー』などがあります。
主人公。希少な内蔵の病気で余命いくばくもない。恋人のピーターや母親とは微妙な関係で自堕落な生活を送る。
病気が発覚してクローンを作ると生活を奪われ、完治するも恋人から家を追い出されていた。
1年後の決闘裁判に備えて戦闘訓練士のトレントを雇い、トレーニングで体を鍛えていく。
監視するダブルを攻撃すると、グループセラピーに行くと寄り添うような気持ちを持った。
最後は決闘裁判を無視して二人で逃亡を計画するが、ダブルの罠で毒殺され入れ替わられる。
・サラのダブル(演:カレン・ギラン)
“リプレイスメント”のプログラムにより誕生したサラのクローン。手違いで瞳の色が本人と違っている。
サラと一緒に過ごしているうちに自我へ目覚め、恋人や母親を味方にして決闘裁判を起こす。
最初からサラが気に入らず、ピーターや母親を取り込んでオリジナルの生活を奪っていく。
サラと同じくトレーニングするが、決闘裁判で生き残ったセラピーグループに連れて行った。
最後はピーターと母親と共謀してサラを毒殺し、オリジナルとして生きるも精神的に病む。
・ピーター(演:ビューラ・コアレ)
代表作に『アメリカン・ソルジャー』、『シャドウ・イン・クラウド』などがあります。
サラの恋人。サラと同棲中であるが仕事を優先していて、出張による二人の間に大きな溝が出来ている。
サラから何度も連絡を受けるも淡白に返事するだけで、すでに冷めきった状態になっている。
ダブルと一緒に過ごすうちに彼女を好きになり、サラが完治しても興味を示さず追い出す。
決闘裁判でオリジナルのサラが不戦勝とになると、実際の裁判に証人として証言をしていた。
最後は共謀してオリジナルのサラを抹殺する計画に参加し、達成してダブルと生活を送る。
・サラの母親(演:マイヤ・パウニオ)
代表作に『セカンド・チャンス』、『Baby Jane』などがあります。
サラの母親。夫が亡くなったせいで過保護となり、何度も娘に連絡するも何ヶ月も返事をもらっていない。
娘が余命いくばくもない状態を知らず、ダブルに呼び出された事で初めて真実を知った。
オリジナルの娘が完治したとして説明するが、話しをしてくれるダブルの方を優先していた。
決闘裁判でダブルが現れず行方不明となり、実際の裁判に証人としてオリジナルと宣言した。
最後は実際は共謀してオリジナルを殺す計画に参加し、コンタクトレンズの購入をしていた。
・トレント(演:アーロン・ポール)
代表作に『パパが遺した物語』、『トリプル9/裏切りのコード』などがあります。
戦闘訓練士。オリジナルとダブルが決闘裁判を起こす中で、契約して勝てるような戦闘訓練を施すプロ。
契約したサラの本気度を最初に確認してトレーニングを始めると、出来の悪さに頭を抱える。
相手を殺す覚悟について何度もサラに確認し、グロテスクな映画を渡して精神的に鍛える。
もっと実戦的に相手を殺害する現実を分からせるべく、死体の解剖にもサラを行かせていた。
最後は支払いが滞るサラからダンスを教えてもらい条件により、金額をチャラにしていた。
感想
[個人的な評価]
本作は『サンダンス映画祭』にて正式出品されたSFサスペンス映画となります。
この作品は『恐怖のセンセイ』で知られるライリー・ステアンズが監督、脚本、共同製作などを務めています。
ジャケットからすると、誕生したクローンとオリジナルが戦っていく展開を予想したら実際はまったく違っていた。
あくまで本作はアルバトロス・フィルムが配給しているので、インパクトのあるようなジャケットと宣伝文句になっています。
まず、本作はSFというよりはファンタジーであり、虚構の上に虚構を重ねているから現実感はまったくありません。
カレン・ギランが二役に挑戦として期待したら、ほとんどオリジナルの視点で思い出したようにクローンが出てくる感じでした。
ウソの上にウソの設定を重ねているので、色々と破綻している部分があってずっと違和感が拭いきれない印象を持ちました。
主人公にはまったく魅力がなく、ワザと感情を削ぎ落とした演出になっていて、生きる為に訓練していくところのギャップを生み出そうとしていました。
上手くハマれば面白くなりそうだが、土台が安定していない作品で物語が展開しても空回りしていると感じました。
同じくオリジナルとクローンの対決を描くアーノルド・シュワルツェネッガーの主演作『シックス・デイ』とは違っていました。
こっちの方は娯楽性が高くシュワちゃんが主演という事で、最終的に和解してハッピーエンドだから面白さが違ってくる。
本作は地味で暗い内容になっている上に、せっかくのカレン・ギランの魅力をほとんど活用していないところにも問題がある。
何より期待しているモノと真逆とも言える内容、それに納得できない結末も本作は微妙としか言えない作品となりました。
まだオリジナルとクローンが和解して生きていくラストならば救いようがあったけど、暗いまま終わらせた点でスッキリ感が得られず残念としか言えない。
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