作品データ
公開年月 | 2020/08/21 |
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ジャンル | 時代劇/アクション |
原作 | なし |
監督 | 下村勇二 |
脚本 | 灯敦生 |
製作 | 藤田真一、國實瑞恵 |
製作国 | 日本 |
鑑賞方法 | レンタルDVD |
あらすじ
1604年(慶長9年)、吉岡流道場の一門は、宮本武蔵の道場破りにて一門の吉岡清十郎と弟の吉岡伝七郎を失い、武蔵に恨みを抱いていた。
一門は清十郎の嫡男でまだ9歳の又七郎と武蔵の決闘の場を設け、そこで一門衆・野武士ら総勢588人で襲撃する計画を立てた。
しかし、突如現れた武蔵は逆に一門衆や野武士たちに奇襲を仕掛け、逆に彼らを血祭りに上げていくのだった。
登場人物&出演者
感想
[個人的な評価]
本作は「坂口拓引退興行 男の花道 最後の愛」というイベントとして1日限定で劇場公開されています。
この作品は『RE:BORN』で知られる下村勇二が監督を務めています。
上映時間の91分のうち、77分をワンカットでの殺陣のシーンをやったというこだわりのある作品となっています。
坂口拓が宮本武蔵として道場破りをしていて、吉岡一門に恨みを買われて果たし状を受けるような流れになります。
吉岡一門は100人を駆り出し、更に野武士を300人を雇って武蔵を倒そうとする形振り構わないような状態だと言えます。
ドラマはここまでで、武蔵があっさりと跡継ぎの子供と後見役の老人を斬り捨てると、ここから77分のワンカットによる殺陣が開始されます。
大まかな流れを決めてアドリブを使いながらやっていきますが、リアリティを謳っているのにまったくリアルではありませんでした。
まず、日本刀は数人斬っただけで切れ味が悪くなり、どっちかと言えば鉄の棒で叩き殺すような状態になります。
しかし、本作は何人も着物の上から斬り捨てているだけじゃなく、一切の血が付いていない時点でリアリティがありません。
坂口拓が一人で何人も相手にする展開になりますが、さすがに400人を揃える事ができず同じ人が最低でも10回は斬られていました。
テレビでの時代劇でもそうですが、斬られた人間はしっかりと画面の外に出て邪魔にならないようにするが、この作品でもそうでした。
命のやり取りしているところで痛がる様子も不自然ですし、何より武蔵がただ人を斬っている作業にしか見えなかったです。
実験的な作品だと言えば聞こえはいいかもしれないが、このような内容だとお金は取っちゃダメだと思います。
どっちかと言えば、寄付するなら分かりますが、これを商業として儲けるのはちょっと無理のあるレベルでした。
唯一、ラストで追加で撮影したアクションのシーンが坂口拓の良さを見事に演出していて、カット割りの大切さを教えてくれます。
つまり、本作での77分のワンカットの殺陣は自己満足の域を出ず、映画として成立しているとは言えません。
資金提供する側として売れるような作品じゃないから9年間も作品にできなかった理由が良く分かりました。
それでも、ラストの坂口拓のアクションは素晴らしく、日本のアクション映画を引っ張っていくべき人物だと改めて分かりました。
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