作品データ
あらすじ
ルイジアナ州のニューオリンズ、レイチェルは15歳になる息子カイルと一緒に暮らしていた。
そんなある日、カイルを車で学校まで送り届ける途中、レイチェルは前を走っていた車が青信号になって動き出さずクラクションを鳴らした。
前方の車はそれでも動かず、やむなくレイチェルは追い越すが、ブチ切れた運転手は真摯な謝罪を求める為に追いかけてくるのだった。
登場人物&出演者
・トム・クーパー(演:ラッセル・クロウ)
近年の出演作に『トゥルー・ヒストリー・オブ・ザ・ケリー・ギャング』、『ある少年の告白』などがあります。
主人公。妻との離婚や仕事を失って転職活動もできず、麻薬性の鎮痛剤を服用するぐらい精神的に不安定。
すべてを失って無敵の人となり、元妻たちを殺害し、家を燃やして何事もなく逃走していた。
レイチェルからクラクションを鳴らされ、謝罪を要求するも逆ギレされた事で凶行に走る。
あおり運転でレイチェルたちを脅し、彼女のスマホを手に入れて身内を次々と殺害して陥れる。
最後はカイルを殺そうと追いかけるが、レイチェルの思わぬ反撃によって呆気なく死亡した。
・レイチェル・フリン(演:カレン・ピストリアス)
代表作に『スロウ・ウェスト』、『移動都市/モータル・エンジン』などがあります。
ヒロイン。カイルの母親。夫との離婚調停中で、美容師の店を失い、日々のストレスにさらされている。
上客の予約を寝坊によって台無しにして、青信号で動かなかったトムにクラクションを鳴らした。
トムが無礼を謝罪するも謝る必要ないとして逆ギレするが、そのせいであおり運転を食らった。
スマホをトムに奪われ道内を次々と殺害されると、カイルだけを助けようとして先回りした。
最後は祖母の家に誘い出して撹乱し、トムが油断したところでハサミで目玉を刺して倒した。
・カイル・フリン(演:ガブリエル・ベイトマン)
代表作に『アナベル/死霊館の人形』、『チャイルド・プレイ/2019年版』などがあります。
レイチェルの一人息子。父親との離婚調停中で母親に引き取られるが、二人の問題に対して何も言えずにいる。
母親がストレスのせいで寝坊してしまい、間に合わせる為にフリーウェイを使う事に反対した。
トムに対して母親がクラクションを鳴らしたせいで、あおり運転を食らって恐ろしい目に遭う。
学校で居残りが決定していたが、トムの暴走で危険となって母親が迎えに来て事情を把握した。
最後は祖母の家に逃げ込んで隠れるが、トムに見つかるも母親のおかげで助かって生還した。
・フレディ(演:オースティン・P・マッケンジー)
代表作に『Speech & Debate』、『Conrad & Michelle: If Words Could Kill』などがあります。
レイチェルの弟。婚約者と一緒に姉の家に住んでいる。本当は離れて暮らしている母親のところに行くつもりである。
何かと追われるような状態になっている姉を心配するが、婚約者の金管理を見習うべきと話した。
カイルとは非常に仲が良く、いつも一緒にゲームをして学校から帰ったらやる約束をしていた。
レイチェルのスマホから家の所在がトムにバレて、彼によって婚約者を殺されて捕まってしまう。
最後はライターオイルで火をつけられるが、駆けつけた警察官に助けられて一命を取り留めた。
・アンディ(演:ジミ・シンプソン)
代表作に『リンカーン/秘密の書』、『ホワイトハウス・ダウン』などがあります。
レイチェルの友人で離婚を専門にする弁護士。レイチェルの苦労を誰よりも理解して夫の訴えに対抗する。
夫から家を横取りされる訴えを出すが、すぐにレイチェルの為に相談して対抗する書類を作る。
あおり運転を食らったレイチェルから朝食の誘いを受けて、行きつけのダイナーで待っていた。
トムがレイチェルの友人だと称して挨拶を交わし、彼女が来るように代わりに電話をしてもらう。
最後は正体を暴いたトムに殴られ、状況が分からないままナイフで脊髄を突き刺されて死亡した。
感想
[個人的な評価]
本作は日本に限らず、アメリカでも社会問題になった「あおり運転」をテーマにしています。
この作品は公開日から何度も変更されており、結果的に当初予定していた日にちから一週間後に公開されました。
近年で社会問題の一つになっている「あおり運転」をテーマにして、ヒロインたちはドンでもない状況に追い込まれていきます。
ただ、本編がずっと「あおり運転」をしていると思ったら、あくまできっかけで物語の肝とは言えなかったです。
主人公であるトムが無敵の人となって、生きる希望がなくて、世界に対して復讐をしたい危険人物というのが肝になっている。
これは雰囲気として、マイケル・ダグラス主演の『フォーリング・ダウン』のような印象を持たせてくれました。
『フォーリング・ダウン』の場合は冷静に狂った主人公だが、本作はもう少し自暴自棄になっているような感じです。
この主人公をラッセル・クロウが演じているのはまさにハマり役で、何をやらかすのか分からない雰囲気を出していました。
ラッセル・クロウは年々悪い意味で巨大化しているが、これはこれで役に合っていて説得力が尋常じゃなかったです。
あくまで「あおり運転」がきっかけでヒロインたちが巻き込まれるが、そもそも彼女たちに原因があったからだと思います。
いくら離婚調停中で店までなくなってストレス状態であっても、普段の生活がだらしないからツケが回ってきたように感じました。
ヒロインについても冒頭の言動が間違っていて、たまたま無敵の人を刺激したのだが、それも自業自得に感じられます。
本作は「あおり運転」の怖さだけじゃなく、運転マナーについても説いていて、相手じゃなくて自分自身も言動に気をつけないといけないと教えてくれていました。
やはり、ラッセル・クロウが無敵の人を演じたのは素晴らしく、個人的には彼に復活して殺人鬼として立ち回ると面白い作品が作れそうな気がしてならない。
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