作品データ
あらすじ
アメリカのオレゴン州、ガンナー・ブーンは白血病で死の床にある母親を救うべく、その手がかりを求めて書物から探していた。
そんなある日、ガンナーは不死の秘宝を知るという伝承上の存在、ウォーターマンに関する記述を発見する。
ガンナーはウォーターマンこそが最後の希望だとして、父親の日本刀を携えて母親を救う為の旅に出かけるのだった。
登場人物&出演者
・ガンナー・ブーン(演:ロニー・チェイヴィス)
代表作に『SKIN/スキン』、『マジックに魅せられて』などがあります。
主人公。母親が白血病で良い環境で過ごす為に引っ越してきた。「ノックス刑事」というマンガを描いている。
母親の病気について理解していて、引っ越してから様々な本で治療方法を独自に調べていた。
「ウォーターマン」の不死性を知って探そうと、会った事があるジョーと森へ向かった。
ようやくウォーターマンの家にたどり着くが、すべては自分の創造と再認識して現実に戻る。
最後は山火事になって父親が助けに来て、家族とジョーとともに平穏な時間を過ごしていく。
・エイモス・ブーン(演:デヴィッド・オイェロウォ)
近年の出演作に『ミッドナイト・スカイ』、『ドント・レット・ゴー/過去からの叫び』などがあります。
ガンナーの父親。日本に仕事で出張していたが、妻の白血病が末期状態になって一緒に過ごそうと引っ越す。
妻の病気は助からないと諦めているような状態で、残った少ない時間を家族で過ごしていく。
ガンナーとの接し方が分からず、いつも怒鳴ってしまい、そのせいで避けられてしまう。
怒ったせいでガンナーが家出したと思い、バッセイからの情報で山火事が起きる森へ探す。
最後はガンナーとジョーを見つけて助け出し、残り少ない家族の時間をみんなで過ごした。
・メアリー・ブーン(演:ロザリオ・ドーソン)
近年の出演作に『ゾンビランド:ダブルタップ』、『サムワン・グレート/輝く人』などがあります。
ガンナーの母親。白血病の末期状態で自宅療養している。すでに治療ができず苦痛を和らぐ状態になっている。
息子には真実をちゃんと話しておらず、引っ越しで大変でも変わらない態度で接していた。
夫と息子が上手くいっていないと分かっているが、この先の事を考えて仲直りをさせる。
息子が自分の為に治療を探す為に出て行ったと知って、夫とともに帰りをじっと待っていた。
最後は息子が戻って家族が仲良くなり、更にジョーも加わって幸せな時間を過ごしていた。
・ジョー・ライリー(演:アマイア・ミラー)
代表作に『ライト/オフ』、『猿の惑星:聖戦記』などがあります。
ヒロイン。青い髪の毛で森の近くにある廃工場に住んでいる。首の右側に傷があってウォーターマンの仕業と話す。
近所の子供たちを集めてウォーターマンについて話し、いくらかのお金を受け取っていた。
ウォーターマンの不死性を知ったガンナーに道案内を申し出て、一緒に森へ向かっていった。
実は父親の家庭内暴力で傷を負っていて、ウォーターマンに会ったのは作り話と告白した。
最後は山火事から助けられ、父親の暴力を通報され、ガンナーの家族と一緒に過ごしていた。
・バッセイ(演:アルフレッド・モリーナ)
近年の出演作に『プロミシング・ヤング・ウーマン』、『アナと雪の女王2』などがあります。
以前は「バッセイ&サンズ葬儀社」を経営していた。過去にウォーターマンについての著書を出している。
近所の子供にウォーターマンの事を面白半分で聞かれ、もうすでにうんざりしていた様子。
ガンナーが訪れてきたが、本気だと分かって家に迎え入れてウォーターマンの説明をした。
最後は息子を探すエイモスの元にやって来ると、ウォーターマンを探していると地図を渡す。
・グッドウィン保安官(演:マリア・ベロ)
近年の出演作に『エブリデイ』、『フェリーニに恋して』などがあります。
カスケード郡の女性保安官。ガンナーが行方不明となって、捜索願を出したエイモスの話しを聞いていた。
ジョーの携帯電話からメールで連絡が入ると、エイモスから連絡を受けて調べていた。
すぐにジョーの父親が住むトレーラーハウスにやって来ると、家庭内暴力の疑いを話した。
最後はエイモスの通報で家庭内暴力を児童保護施設と連携してジョーを保護させた。
感想
[個人的な評価]
本作は『第45回トロント国際映画祭』にてプレミア上映された作品となります。
主演を務めているデヴィッド・オイェロウォにとって、長編映画での監督デビュー作となっています。
どうやら主演のデヴィッド・オイェロウォは製作と兼任だけだったはずが、監督が降板したせいで監督まで務める事になった。
そのせいもあるのだろうか、デヴィッド・オイェロウォは主演にも関わらず出演シーンが少なかった原因だと思います。
物語としてはアドベンチャーとファンタジーのような雰囲気だが、実際は主人公の希望からもたらした妄想でした。
最初からそのような伏線があったので、本当ならファンタジーでも良かったじゃないと思うぐらい救いはあまりなかった気がする。
主人公のガンナーは白血病の母親を助けるべく、本で勉強していると、不死身の力を持つウォーターマンにたどり着く。
そのウォーターマンが持つ石ならば母親を治療できるとして、家出していたジョーとともに森へ彼を探す為に冒険をするという展開です。
子供が主人公になっているのでヒドイ状況にはならないが、ファンタジーなスタートとは裏腹に現実的な要素が強かったです。
あくまで主人公の妄想で存在するウォーターマンだが、そこには現実を受け止めて前に進むべきという成長を与えている。
ファンタジーならば、ウォーターマンが実在して母親の病気を治せるだろうが、そうなってくると物語の方向性が大きく変わってしまう。
あくまで本作は主人公のガンナーが成長する物語であり、ファンタジー要素はそれを手助けるだけで実際には存在しない。
ヒロインとなるジョーも家庭に問題があって、ガンナーとの出会いで彼女自身も救われる点でもムダではない。
あとは父親と息子の仲違いも解消され、最終的に家族が仲良くなって、ハッピーエンドを迎える結末になります。
ただ、結果的に母親の病気は治す事ができず、いつかやって来る悲しい現実を主人公はまたも受け止めないといけない。
家族の絆が深まって、ジョーという新たな家族のような存在が増えたのはいいが、これからもっと過酷な現実が待ち受けているだろうと思わせる作品でした。
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