作品データ
あらすじ
アンリ・シャリエールは“パピヨン”の愛称で知られる金庫破りだったが、関係ない殺人事件で逮捕され、アリバイがあるにも関わらず有罪となってしまう。
ギアナで強制労働に従事するパピヨンは、偽札職人で体内に金を隠し持っているルイ・ドガと出会い彼に警護を依頼される。
脱獄に必要な紙幣を偽造するルイの申し出を断れず、利害の一致から二人は協力するが、次第に両者は真の友情へと変化していくのだった。
登場人物&出演者
・パピヨン/アンリ・シャリエール(演:チャーリー・ハナム)
代表作に『パシフィック・リム』、『キング・アーサー/2017年版』などがあります。
主人公。有名な金庫破りとして名を轟かせるが、ボスを裏切ろうとした事がバレて殺人罪で投獄される。
法律では外に出られないと理解し、脱獄して自分を売った人間を皆殺しにすると誓っていた。
ギアナで強制労働される中で偽札職人のルイと出会い、彼を守る代わりに金を要求して成立する。
ルイを助けたせいで独房に入るもガマンして脱獄するも捕まって、悪魔島へ送られてしまう。
最後はルイと再会を果たして一人で脱獄し、自伝本の大ヒットにより故国に帰る事を許された。
・ルイ・ドガ(演:ラミ・マレック)
代表作に『ナイトミュージアム』シリーズ、『ボヘミアン・ラプソディ』などがあります。
偽札職人。初めて投獄されて状況を理解していない。妻が控訴してすぐに刑務所を出られると思っていた。
ケツの穴にお金を突っ込んでいて、みんなに狙われる中でパピヨンの護衛する提案に乗った。
肉体労働がまったくできない状態で金を失いそうになるが、パピヨンに何度も助けられていた。
パピヨンが独房に入っても自分の名前を出さず、守られていた事で友情を感じて脱獄計画を話す。
最後は悪魔島でパピヨンと再会し、脱獄する彼について行かず残る事を決意して彼を見送った。
・セリエ(演:ローランド・ムーラー)
代表作に『ヒトラーの忘れもの』、『アトミック・ブロンド』などがあります。
ギアナの強制労働にいた元海軍の囚人。体調を崩してマトモに仕事できないルイに強い言葉を浴びせていた。
ずっと面倒をみていたパピヨンが只者じゃないとすぐに気づき、元海軍同士で共感をしていた。
パピヨンが独房で監禁状態になった時、ルイとの繋がりを持って一緒に脱獄する計画に参加する。
ボートを手配して脱獄に成功するが、足手まといになるルイを捨てるべきとパピヨンに主張する。
最後はルイを殺そうとするが、パピヨンに止められて殴り合いになり、背後から刺されて死亡。
・マチュレット(演:ジョエル・バズマン)
代表作に『ロストックの長い夜』、『モティの目覚め』などがあります。
独房から帰ってきたパピヨンと出会う囚人。鍵番の囚人からしつこく性的な目的で言い寄られていた。
鍵番のカギを手に入れる為に仲間へ引き入れられ、気をそらす役目として問題なく参加する。
脱獄する当日に鍵番を誘って性的欲求に応えていたが、パピヨンたちが昏倒させてブチ切れた。
ボートに乗って海へ出るが、沈みかけると暴走したセリエに反抗してパピヨンたちに協力した。
最後はコロンビアの原住民がいる村まで逃げるが、シスターたちの通報で逃げるも射殺された。
・ジュロ(演:マイケル・ソーチャ)
代表作に『エイリアンズ』、『キラーズ・セッション』があります。
収容されたパピヨンに正体を知っていて声をかけてきた。脱獄しか生き残る道がないと理解している。
ギアナの強制労働まで一緒に行動して、偽札職人のルイについて説明して護衛に繋げていた。
脱獄の第一歩として自分の足を切ってケガし、足が折れたとして上陸早々に病院へ運ばれていた。
傷が回復すると、監視官たちの目を盗んで脱獄をして、パピヨンにその可能性を示していた。
最後はジャングルにいたところを監視官に捕まり、囚人たちの前でギロチンが首を切断された
・ネネット(演:イヴ・ヒューソン)
代表作に『ブリッジ・オブ・スパイ』、『フッド:ザ・ビギニング』などがあります。
パピヨンの恋人。天才的な金庫破りのパピヨンから豪華な宝石と金を手に入れて派手に遊んでいた。
好き放題遊んでいると、ホテルに止まってパピヨンと熱い一夜を過ごして彼の夢を聞いていた。
半年後にボスよりも金持ちになると宣言したパピヨンだが、それでは遅いと不満を漏らしていた。
最後はパピヨンが収容されて面会に来ると、彼から脱獄の話しを聞いて復讐の為に別れてしまう。
・ウォーデン・バロット(演:ヨリック・ヴァン・ヴァーヘニンゲン)
代表作に『ドラゴン・タトゥーの女』、『ブラックハット』などがあります。
ギアナにある徒刑場に送られる囚人たちを収容し、彼らに人権がまったくないと高らかに宣言していた。
囚人の脱獄を大いに歓迎するが、決して逃げられない事を主張して悪魔島か処刑をしていた。
ジュロが脱獄を果たすが、その際に監視官を殺し、捕まると囚人たちの前でギロチン刑に処した。
独房にいたパピヨンに食べ物をあげていた人物の名前を聞き出すも、答えられずイライラする。
最後は独房で生き延びたパピヨンに感心しながらも、最終的に悪魔島へ送って死を確信した。
感想
[個人的な評価]
本作はアンリ・シャリエールの自伝的小説『パピヨン』と『パピヨンは死なない』を基に作られています。
『第42回トロント国際映画祭』にてプレミア上映された作品となっています。
1979年に一度実写映画化されていますが、本作はリメイクという形で作られています。
年代が1930年代と第二次世界大戦より前の物語なので、今の時代とはかなり考え方が違うような世界となっています。
罪人にはまったく人権がなく、フランスの植民地で強制労働させられる囚人たちの過酷な日常を淡々と描いている。
その中でパピヨンが復讐の為に脱獄を狙っていくが、利用できる偽札職人のルイと出会って金をもらうべく護衛していた。
当初はひ弱なルイを守る為にケガをしていたパピヨンの二人は、ずっと利害の一致だけの関係でいつ裏切るのか分からない。
しかし、なぜかパピヨンはルイの事を売らず過酷な独房生活を耐え抜くが、普通に考えて超人的な精神力だと言える。
確かにパピヨンの仲間を守る男気は素晴らしいけど、それを証明するモノがないから、かなり美化しているような印象を持ちました。
やはり、ルイを守るだけの理由がパピヨンから伝わらないので、まるで聖人のような感じになっているせいで説得力がない。
次第にパピヨンとルイの間に友情が築かれているが、その過程についてちょっとばかり不自然な印象を持ちました。
やはり、自伝本という事でパピヨンが聖人のような感じで描かれているせいで、ルイとの友情にも今ひとつ説得力がなかった。
本当ならもっといい話しになってもいいが、なぜかそこまで共感するような展開ではなく、気付いたらそんな関係になっていた印象でした。
伝記映画に近い要素を持っているせいで、どうしても出来事を描いているだけで、そこにあるドラマは薄くなってしまっていると思われます。
ただ、エンディングで映し出されたパピヨン本人の姿について、死んでいった仲間たちの思いを背負っているような雰囲気がありました。
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