作品データ
あらすじ
新興宗教のウソを見破る極東宗教問題研究所のパク・ウンジェ牧師が新たな宗教団体について調査を開始していた。
信者は少なくお布施のシステムがなく、特に目立つような問題はなかったが、パク牧師は何か腑に落ちない怪しさを長年の経験で感じ取っていた。
パク牧師は友人の僧侶の助けを借りて、その実態に迫っているうちに想像を超える深い闇に紛れた過去が明らかになっていくのだった。
登場人物&出演者
・パク・ウンジェ牧師(演:イ・ジョンジェ)
代表作に『イルマーレ』、『神と共に』シリーズがあります。
主人公。極東宗教問題研究所の所長。エホバの証人の牧師。偽物の宗教家を暴く活動をしている。
あらゆる新興宗教団体の金問題を暴いているせいで、各方面からデモを食らってしまっている。
新興宗教団体の「鹿野苑」を調べていて、部下のヨセフを潜らせて内部事情を探っていた。
韓国仏教会のヘアンから情報を手に入れて、キム・ジェソクの正体について突き止めていく。
最後はグムファを殺そうとしたキム・ジェソクを止め、ナハンが燃やして彼の遺志を理解した。
・ヨセフ(演:イ・デヴィッド)
代表作に『ポエトリー/アグネスの詩(うた)』、『天命の城』などがあります。
極東宗教問題研究所でウンジェの助手として働く。「鹿野苑」の調査として潜り込んでいた。
マルチ商法を疑っていたウンジェから内部事情を質問されるが、健全な団体として説明した。
ヘアンから経典があるとヒントをもらうと、ウンジェに頼まれて教会の中で探していた。
夜遅くに「鹿野苑」へウンジェと侵入すると、隠し部屋を見つけて経典と四天王の絵を発見した。
最後はグムファを殺そうとしたキム・ジェソクを止めて、ナハンによって倒される姿を見た。
・ヘアン(演:チン・ソンギュ)
代表作に『守護教師』、『スペース・スウィーパーズ』などがあります。
韓国仏教会に所属している僧侶。ウンジェとは友人のような関係でパイプ役として機能している。
新興宗教団体「鹿野苑」がマルチ商法だと訴えるウンジェを連れてきて、助け舟を出していた。
「鹿野苑」の調査に行き詰まっていたウンジェに宗教の三大要素をヒントとして与えていた。
クリスマスシーズンの中でちょうどチベット高僧のネチュンテンパが来て準備に追われていた。
最後はキム・ジェソクについて知るネチュンテンパをウンジェと引き合わせて情報を与えた。
・チョン・ナハン(演:パク・ジョンミン)
代表作に『ダンシング・クィーン』、『サイコキネシス/念力』などがあります。
新興宗教団体「鹿野苑」から広目天と呼ばれている青年。仲間の四天王と接触をしていた。
キム・ジェソクを父として崇め、彼から支持されて1999年生まれの女の子を殺害していた。
生まれ変わる為に仲間が死んでいく中で、「鹿野苑」からグムファの情報を手に入れていた。
グムファを見つけて埋めようとしたが、彼女の双子の姉が本物と知ってキム・ジェソクと会う。
最後は本物のキム・ジェソクに撃たれるが、なんとか燃やして使命を全うして死を迎えた。
・イ・グムファ(演:イ・ジェイン)
代表作に『泣く男』、『大人図鑑』などがあります。
1999年に双子として生まれた妹。異形の姿で生まれた姉に右足を噛まれた状態で生まれていた。
母親が自分たちを生んですぐに亡くなり、父親も何かに追い詰められて自殺を遂げている。
祖父母と住んでいたが、生きていた異形の姉を連れて何度も引っ越しをして各地を転々とした。
初潮を迎えた事で異形だった姉が神へ生まれ変わり、ナハンに見つかるも本物を差し出した。
最後は姉と連動したキム・ジェソクが死ぬと、運命から開放されて普通の女の子として暮らす。
・ネチュンテンパ(演:田中泯)
代表作に『たそがれ清兵衛』、『永遠の0』などがあります。
チベットの高僧。クリスマスの時に韓国の仏教会を代表して、韓国に来て枢機卿に挨拶をする。
英語で韓国仏教会で説法をしていると、通訳としてやっていたヘアンがずっと付いていた。
別の場所に移動する際にヘアンからウンジェを紹介されると、キム・ジェソクについて聞いた。
過去にキム・ジェソクを会って、彼が自分の師であると話して、予言を彼に託していた。
最後は「鹿野苑」の経典をウンジェに見せられるが、数字の意味が分からずに謝って去った。
・キム・ジェソク(演:チョン・ドンファン)
代表作に『晩秋』、『高校教師』などがあります。
新興宗教団体「鹿野苑」の教祖。1899年生まれで、1985年から公の場から姿を消している。
広目天となったナハンたちを含めた四天王を刑務所で見つけ、彼らを養子に迎えていた。
「鹿野苑」について調べていたウンジェたちに死んだと思われたが、重病ながら生きていた。
ナハンが訪れると「愛している」という言葉をドンスに伝え、彼らの使命を改めて認識させた。
最後はその正体はキム・ジェソクの身代わりで、役目を終わらせるように頼んで安楽死した。
・キム・ドンス(演:ユ・ジテ)
代表作に『リメンバー・ミー』、『オールド・ボーイ』などがあります。
新興宗教団体「鹿野苑」で寝たきり状態のキム・ジェソクを30年間も付き人として従っていた。
広目天となったナハンがやって来ると、キム・ジェソクの言葉を代わりに伝えていた。
その正体は死を克服したキム・ジェソクであり、老いた男は身代わりとして使っていたという。
ネチュンテンパの予言で1999年生まれの少女に殺されると聞いて、広目天を利用していた。
最後は正体がウンジェたちにバレて、ナハンによって炎に包まれて死を迎える事になる。
感想
[個人的な評価]
本作は韓国で劇場公開されていますが、日本ではNetflixの独占配信となっています。
最初から最後まで徹底した宗教色を貫いた作品として、普通の人間は理解できないと思います。
これは何回か鑑賞して、更に宗教に関して勉強したら面白いかもしれないが、映画としての面白さはなかったです。
ホラー映画だと思ったら、謎解きの部分がかなり強くあって全体的に物語がそこへ向かっていました。
やはり、宗教が中心となっているので、どんどん物語が勝手に進んでしまい、鑑賞する側を置いてけぼりしていました。
そもそも、本作は最初から娯楽作として作っておらず、あくまで宗教の深さについて描いている作品だと言えます。
なので、軽い気持ちで鑑賞してしまうと、何が起きているのか分からずに終わりまでロクな説明がないまま突っ走ります。
仏教がメインとなっているが、そこにキリスト教やムスリムの話しも入ってくるので、余計に分かりづらい内容になってしまっている。
本作では神になった人間が登場するけど、個人的にはファンタジーに片足を突っ込んでいるような印象を持ちました。
宗教というのはあくまで人間社会を統制する為のモノだと思っていて、それが超自然的な力に結びつくとは考えていません。
あくまで宗教というのはビジネス目的のモノであって、そう言った神や悪魔とは対局にあるモノだと最近考えています。
ですので、本作で描かれている内容について何一つ納得できるところがなく、分かりづらいという点でも個人的には楽しめなかったです。
人を選びすぎる内容であるけど、こういうジャンルにもチャレンジする韓国映画やNetflixの強さを垣間見る事ができました。
この作品を簡単に高い評価や低い評価を与えられるモノじゃないし、個人的な死生観や宗教観が大きく関わってくると思います。
それによって本作の印象が変わってくるだろうし、何より鑑賞した人間の環境や考え方で評価が分かれるはずです。
改めて言いますが、個人的には納得できる部分が少なく、娯楽作としても作られていないので、難しいところであるけど評価は今ひとつでした。
コメント