作品データ
あらすじ
火星軌道上に正体不明の巨大な黒い球体が出現し、この謎を解明する為に天文物理学者のカーラたち6人の調査隊が旅立った。
8ヶ月後、冷凍睡眠から目覚めたカーラたちは早速と調査を開始するが、そんな中でこれまで無反応だった球体から信号が届く。
カーラが分析すると、そこには「DEUS=神」という文字列を発見し、自らを神と名乗る球体はなんなのかを確かめるべく、彼らは降り立つのだった。
登場人物&出演者
・カーラ・グレイ(演:クローディア・ブラック)
代表作に『ピッチ・ブラック』、『クイーン・オブ・ザ・ヴァンパイア』などがあります。
主人公。天文物理学者。宇宙船「アキリーズ号」に搭乗して、火星の軌道上に現れた球体の調査に出向いた。
人工冬眠から目覚めて球体の分析をするが、何も結果が得られず慎重にやるべきだと主張。
強引に進めようとする船長に反対していたが、サイの暴走と頭の中の声により懐疑的になる。
球体での門の光景を天国だと考えると、ウェルシュが殺された事からウソだと見抜いていた。
最後は船長を殺害して会長の口減らしを知って、ウルフが球体を破壊して地球へ帰還した。
・ウルフ(演:デヴィッド・オハラ)
代表作に『ホテル・ルワンダ』、『ドゥームズデイ』などがあります。
宇宙船「アキリーズ号」の乗組員。人工冬眠から目を覚ますと、すぐに燃料の調整をして処理していた。
球体の近くまで来ても分析ができないと知って、会長から調査を続ける指示を受けて従った。
神だというメッセージをもらうと、調査は必要だと言うが、ダメな時は爆破すると宣言した。
その正体は数々の勲章を受けた軍人で、船内の保安に務めるもカーラの味方として協力する。
最後は会長から真実を聞いてカーラと行動し、球体を爆破する為に自ら犠牲を選んでいた。
・セン・ポール船長(演:リチャード・ブラックウッド)
代表作に『Shoot the Messenger』、『Outside Bet』などがあります。
宇宙船「アキリーズ号」の船長。目的である火星の軌道上にある球体までたどり着き、計画通り調査を始める。
球体をスキャンしても分析ができず、不満を持つカーラをなだめて会長の言葉を待っていた。
会長から調査を続行するように言われると、カーラの反対を無視して強引に進めようとする。
カーラが球体で何を見たか気になっていたが、正体を怪しまれた事で銃を向けられてしまう。
最後はカーラを止めようと腹部を刺したが、逆に倒されて挑発するもあっさりと殺された。
・ショー・ウェルシュ(演:チャーリー・マクゲチャン)
代表作に『歌の中の彼女』、『ネバー・ダイ/決意の弾丸』などがあります。
宇宙船「アキリーズ号」の乗組員。人工冬眠から目を覚ますと、常にシャンツィーと一緒に行動している。
サイの様子についてシャンツィーに聞くと、彼のブログには多くのフォロワーがいると知る。
球体を分析しても情報が得られず、神だというメッセージを聞いて懐疑的になっていた。
調査の為に球体へ降り立つ任務に自ら希望して、カーラたちと神と名乗る者と遭遇をした。
最後は宇宙服が破れて死んだとカーラが聞いたが、実際はウルフによって殺されてしまった。
・サイ・ルビン(演:ブランコ・トモヴィッチ)
代表作に『ヒットマン/リローデッド』、『ランナウェイ ルナ、17歳の逃亡者』などがあります。
宇宙船「アキリーズ号」の乗組員。今回が初めての人工冬眠で精神的に不安定。ブログのフォロワーが多い。
少し時間が経ってから落ち着くと、フォロワーたちの為にブログを書く事に集中していた。
フォロワーから球体の正体についてのコメントを読むと、何かの声が聞こえて怯えていた。
引き返すべきだと主張しても聞いてもらえず、貨物室で儀式をして探しに来たテズを殺害。
最後はカーラを人質にしていたが、背後からポール船長に撃たれてそのまま呆気なく死んだ。
・テズ・シャンツィー(演:クリスタル・ユー)
代表作に『シャンハイ』、『クリスマス・プリンス:ロイヤルベイビー』などがあります。
宇宙船「アキリーズ号」の搭乗員でアジア系。人工冬眠から目覚めたサイを心配して声をかけていた。
しばらくしてみんなで集まっていると、サイはブログのフォロワーが多いと説明をしていた。
なぜかウェルシュと常に行動をして、球体が見える操縦室まで来ると自分の仕事を始める。
球体が何か分からない状況で会長から調査を言われると、船長の判断に委ねるように賛同。
最後は地下へ隠れたサイを探しに行ったが、浄化が必要だと言われて彼に殺されてしまう。
・ヴァンス会長(演:フィル・デイヴィス)
代表作に『さらば青春の光』、『Mr.ホームズ/名探偵最後の事件』などがあります。
火星の軌道上にある謎の球体を調査する計画を立案した。宇宙船「アキリーズ号」を建造して調査させる。
球体の分析ができないという報告を受けるが、引き続き調査するように指示をしていた。
乗組員の数が減っても気にするような事がなく、球体へ降り立って調査するように指示した。
カーラが裏切って通信すると、地球にも同様の球体が現れ、止める事ができないと話した。
最後は口減らしの為に作った装置だと告白し、裏切ったカーラを見損なって通信を切られた。
感想
[個人的な評価]
本作は『カリテ・ファンタスティック!シネマコレクション2022』にてプレミア上映された作品となります。
この作品は『Entity』、『In Extremin』で知られるスティーヴ・ストーンが監督を務める。
まず、イギリスのSF映画という時点で地雷臭しかなかったが、案の定、別に舞台が宇宙じゃなくても良かったという内容でした。
序盤での説明がほとんどなく、乗組員の設定についても説明がないから、そこまで考えていないと分かってしまう。
そうなってくると、登場人物は科学者というのは設定だけで、メインは人間ドラマとサスペンスになってしまう。
人間ドラマとサスペンスがメインならば、宇宙でやる必要性がないし、ほとんどが同じ船内だからスケールを広げる必要性はなかった。
だからと言って、地球上だけでの展開にするとインパクトがないから、無理やり宇宙にしたような印象でした。
結局、単なる独裁者による壮大な口減らしというオチだったが、主人公の行動はどう考えても解決の糸口がないモヤモヤした終わり方でした。
どうしても主人公が正義だという考え方になるので、独裁者を告発するのは分かるが、本質的な問題の解決になっていない。
つまり、本作にはまったく意味のないストーリーであり、作る側が何を主張したかったのか今ひとつ伝わってこない。
独裁的なやり方がダメというなら、主人公にはそれなりの答えがあるはずだが、抽象的な理想論しか言っていないから解決になっていない。
こういう作品を作るなら納得できるような結末にしないと、無意味な内容になるが、それをやってしまっていて作る側は気付いていないのだろうか。
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