作品データ
あらすじ
11年間の節約生活の末に、平凡なサラリーマンのドンウォンはソウルにマンションを購入し、長年の夢だったマイホームを手に入れて喜んでいた。
だが、息子が遊んでいたビー玉が床を転がる様子に一抹の不安を感じる中、同僚をマイホームに招いて開いた引っ越しパーティの最中に巨大な地響きとともにシンクホールが出現する。
それによってマンションが地下深くへ飲み込まれてしまい、ドンウォンはクセの強い迷惑隣人やタクシーごと落下したキム代理らと地下500メートルに取り残されるのだった。
登場人物&出演者
・パク・ドンウォン(演:キム・ソンギュン)
代表作に『悪いやつら』、『ソウルの春』などがあります。
主人公。平凡なサラリーマン。長年に渡って節約生活のおかげでソウルにて念願のマイホームを購入。
501号室に引っ越すがマンスと最悪の相性で、何かにつけて現れて常に困っている状態に。
シンクホールでマンションごとが落下し、マンスや会社の同僚たちと生き残って対策を打つ。
息子を助け出してみんなと再び合流すると、水没するマンションからタンクで生還を果たす。
最後は会社を辞めたスンヒョンとウンジュが暮らすトレーラーハウスへ妻とマンスと会った。
・チョン・マンス(演:チャ・スンウォン)
代表作に『シークレット』、『ハイヒールの男』などがあります。
ドンウォンの隣人。写真屋、トレーニングジムのトレーナー、運転代行など様々な仕事をやっている。
何かとドンウォンと鉢合わせするが相性は悪い一方、息子とはぎこちない関係となっている。
シンクホールでマンションごと落下して、スチャンは無事だと話し息子と再会して安心した。
マンションが水没すると大きなタンクを見つけ、蓋を閉める為に中へ入らず息子たちを送る。
最後はなんとか生還を果たすと、トレーラーハウスで暮らすスンヒョンたちと会っていた。
・キム・スンヒョン代理(演:イ・グァンス)
代表作に『フィッシュマンの涙』、『パッピーニューイヤー』などがあります。
ドンウォンの部下。金魚のフンのようにご機嫌取りをするが、その一方若手のウンジュに厳しく接する。
ドンウォンの引っ越しパーティにやって来るが、酔い潰れたせいで仕方なく泊まってしまう。
タクシーで帰ろうとしてシンクホールに巻き込まれ、ドンウォンのせいだと分かってキレた。
当初は自分の事しか考えていなかったが、命がけでウンジュに助けられて気持ちが変わる。
最後は無事に生還を果たすと、会社を辞めてウンジュと一緒にトレーラーハウスで暮らす。
・ホン・ウンジュ(演:キム・ヘジュン)
代表作に『未成年』、『メタモルフォーゼ/変身』などがあります。
ドンウォンの部下で若手。スンヒョンから厳しい態度を取られる。ソウルで一人暮らしをしている。
ドンウォンの引っ越しパーティに来ると、酔っていたせいで帰れずにそのまま泊まっていた。
シンクホールに巻き込まれるが、過去に井戸から生還した経験から必ず助かると励ました。
マンションが水没していくが浮く素材が必要だと説明し、スンヒョンとも心を通わせていく。
最後は無事に生還を果たすと、会社を退職してスンヒョンとトレーラーハウスで暮らす事に。
・チョン・スンテ(演:ナム・ダルム)
代表作に『群盗』、『第8日の夜』などがあります。
マンスの一人息子。無職。父親がお金を集めて公務員試験専門の予備校に通わせる約束をされる。
黙ってタバコを吸っているせいで隣人からクレームをもらい、父親に言われて屋上で吸う。
シンクホールに巻き込まれてしまうと、Youtubeで得た知識をフル活用して行動していく。
実は密かにお金を貯めていて、1億ウォンを目標にするも何に使うか決めていなかった。
最後は水没する中で父親が見つけたタンクへ入って、そのおかげで無事に生還を果たした。
・パク・スチャン(演:キム・ゴヌ)
代表作に『To Wool』、『The Ultimate Oppa』などがあります。
ドンウォンの一人息子。生まれる前から両親が懸命に節約生活を行ったおかげで、ソウルのマイホームに引っ越す。
翌日にはビー玉で遊んでいてすぐ欠陥住宅だと発見するが、あくまで面白いと考えていた。
買い物に行く前に寝ている父親の元に帰っていくが、シンクホールに巻き込まれてしまう。
マンションが陥没してずっと車の中にいて、ソンフンの幽霊を見て安全な場所に移動した。
最後は父親がやって来て合流すると、みんなで水没する前に脱出して生還を果たした。
・パク・ヨンイ(演:クォン・ソヒョン)
代表作に『マドンナ』、『虐待の証明』などがあります。
ドンウォンの妻。夫とともに11年間に渡る節約生活を経て、念願のソウルでのマイホームを手に入れた。
そのせいで生活に余裕がなく働きに出ると夫に話すと、笑われるも本人は本気となっていた。
シンクホールが起きる直前に買い物へ出かけており、マンションが陥没して夫と息子を心配。
ソンフンの母親と同じ境遇となっている事で一緒にいて、夫と息子の心配をずっとしていた。
最後は無事に夫と息子たちが生還し、一緒になったスンヒョンとウンジュに会いに行った。
・イ・ソンフン(演:オ・ジャフン)
代表作に『You with Me』、『Iron Mask』などがあります。
201号室に母親と住んでいる少年。母親は朝早くから働きに出ており、他人とあまりコミュニケーションを取らない。
普段はなぜか家の中でテントを張っていて、チャイムを鳴らすマンスに居留守を使った。
シンクホールが発生すると何もできず、陥没していく中でそのままマンションと沈んだ。
車の中で泣いていたスチャンを見つけると、彼を外に誘導して間一髪で助け出す結果になる。
最後は実はすでに死んでいて、ドンウォンが髪の毛を一束持ち出して母親に渡していた。
感想
[個人的な評価]
本作は2021年の韓国映画興行収入第2位を記録しています。
この作品は原題が「シンクホール」となっていて、意味は「巨大陥没穴」となっています。
久しぶりの韓国映画となりましたが、今回は地盤沈下よりも危険である陥没したマンションが舞台となります。
さすがに国家プロジェクトである映画は気合の入れようが違っていて、コミカルな中にもシリアスな場面がしっかりとあります。
当初は夢を叶えた主人公のなんでもない日常が展開されるが、これに関しても個性豊かな登場人物たちのおかげで飽きない。
普通なら本題へすぐ突入するところだが、本作はそこら辺の助走による登場人物を描いているから分かりやすいと言えます。
もちろん、韓国映画というと食事のシーンが醍醐味の一つであるが、ちゃんと本作でも出していました。
序盤は低空飛行で安定したドラマを展開していくが、本題であるシンクホールが発生すると大きく物語が変わっていきます。
それまで主人公と相性が悪かった隣人が協力的になって、目立たなかった人物が大活躍するなどセオリー通りながらしっかりと描いています。
前半のコミカルな展開と後半のシリアスな展開のバランスはいいと思いますし、過度なロマンスがない分だけテンポも良かったです。
確かに現実的ではない状況かもしれないが、それを韓国らしい人間ドラマでちゃんとカバーしていると思います。
日本は地震大国で本作のような状況だって他人事だと言えないので、欠陥住宅は早いうちに見つけるべきだと考えさせられます。
ラストは予定調和のハッピーエンドになっていますが、変な捻りがない王道だからこそスッキリした締め方だと感じました。
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