【ランド・オブ・ザ・デッド】MY-128

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洋画

作品データ

公開年月 2005/06/24
ジャンル ホラー
原作 なし
監督 ジョージ・A・ロメロ
脚本 ジョージ・A・ロメロ
製作 マーク・キャントン、バーニー・ゴールドマン、ほか
製作国 カナダ、アメリカ、フランス
鑑賞方法 購入DVD

あらすじ

近未来、ゾンビが地球上に蔓延するようになった世界で、生き残った人々は三方の川に囲まれた防御フェンスを敷いて町を築いていた。
高層ビルには富裕層が暮らし、スラムには貧民がそれぞれ別れて暮らしており、物資調達部隊の傭兵隊長ライリーは町を牛耳るカウフマンの下で働いていた。
特権階級に憧れるライリーの部下チョロが裏切られ、装甲車デッド・リコニング号を強奪される中、自我に目覚めたゾンビのビッグ・ダディが仲間を引き連れて町を目指すのだった。

登場人物&出演者

ライリー・デンボ(演:サイモン・ベイカー)

近年の出演作に『EROTICS/美しい女たち』、『リピート/許されざる者』などがあります。

主人公。物資調達部隊の傭兵隊長としてカウフマンに雇われる。デッド・リコニング号の設計者でチョロの上官に当たる。

いつものように物資調達の為に街へ出るが、ミスした新人が死んだ事で仕事を辞めると決意。
チョロの裏切りでデッド・リコニング号が奪われると、カウフマンに言われて奪還に向かう。
車を調達する時にスラックを助け追われる身となり、ゾンビ化した弟を殺害した過去を語る。
最後はすべてカウフマンが仕組んだ罠と知り、以前聞いた安住の地の北を目指して旅立った。

スラック(演:アーシア・アルジェント)

近年の出演作に『いずれ絶望という名の闇』、『戦争について』などがあります。

ヒロイン。元傭兵の娼婦。レジスタンスと関与していると疑われた為、闘技場で見世物として放り込まれる。

車を調達しようとしたライリーたちに助け出され、闘技場を切り抜けて一緒に行動していく。
カウフマンからデッド・リコニング号の奪還とチョロの殺害を指示され、引き受けて向かう。
援軍で来たモータウンに狙われるが、ピルズベリーに助けられ、噛まれた彼女を介錯した。
最後は町がゾンビたちによって富裕層が崩壊し、安住の地がある北をライリーたちと向かう。

チャーリー・フック(演:ロバート・ジョイ)

代表作に『ヒルズ・ハブ・アイズ』、『AVP2/エイリアンVS.プレデター』などがあります。

ライリーの部下で右腕。顔に火傷で爛れており、百発百中の狙撃の腕を持つ。狙撃の時に照準器に唾をつける。

過去に火事を受けて顔に大火傷を負ったが、ライリーに助けられた事で恩義を感じている。
チョロがデッド・リコニング号を奪った事でカウフマンの指示を受け、ライリーと行動する。
スラックを助けた事で追われる身になるが、ライリーの決定に従って敵を射殺していった。
最後は町がゾンビたちの襲撃で富裕層が崩壊し、北の安住の地を目指すライリーと旅立った。

チョロ・デモーラ(演:ジョン・レグイザモ)

近年の出演作に『GAMER』、『ハーヴェイ・カイテル/銃撃のレクイエム』などがあります。

物資調達部隊の副隊長で暗殺者。高層ビルで富裕層としての暮らしに憧れ、カウフマンの手足として働いていた。

カウフマンの裏切りで殺されそうになり、デッド・リコニング号を強奪して金を要求した。
暗殺に来たライリーたちと争うようになるが、逆に命を助けてくれた事で和解をしていた。
ゾンビの襲撃で油断して噛まれてしまい、カウフマンに復讐するべく高層ビルへ歩いていく。
最後はゾンビ化して逃げるカウフマンを追い詰め、ビッグ・ダディの爆破で一緒に散った。

プリティ・ボーイ(演:ジョアンナ・ボーランド)

代表作に『キング・オブ・ポルノ』、『ソウ4』などがあります。

ライリーの部下の一人でデッド・リコニング号を操縦する女性傭兵。ゾンビたちの注意を引く花火が見ていた。

カウフマンの裏切りを食らったチョロがデッド・リコニング号を奪う際に同行をする事に。
町を破壊するというチョロの脅迫と金の為に行動するが、ライリーたちに阻止されてしまう。
ライリーとチョロが和解すると、ゾンビに襲撃される町まで来るも生存者を絶望ししていた。
最後は生存者を確認して安心すると、ライリーの指示で北の大地を目指して旅立っていった。

ピルズベリー(演:ペドロ・ミゲール・アルセ)

代表作に『ゲット・リッチ・オア・ダイ・トライン』、『ボクらのママに近づくな!2』などがあります。

カウフマンの傭兵。サモア出身の巨漢。チョロ殺害に手こずるライリーたちの援軍として仲間たちと合流した。

ライリーたちと同じ目的を持つが、実際は彼らも殺害する為に派遣されて準備をしていた。
モータウンが油断するスラックを狙ったが、ライリーたちの考えに賛同して裏切ってしまう。
逆に油断していたモータウンを倒し、スラックを助け出すと、その後は一緒に行動していく。
最後は町がゾンビの襲撃で富裕層が崩壊すると、ライリーたちと北の大地へ旅立っていった。

モータウン(演:クリスティナ・ブリッジ)

代表作に『NARC/ナーク』、『ジキル博士の記憶』などがあります。

カウフマンの女性傭兵。本名はモニカ。チョロ殺害の為にライリーたちの援軍という名目と仲間たちと合流した。

ライリーたちと同じくチョロ殺害を目的にするが、実際はライリーたちの殺害も命じられる。
仲間の一人が油断してゾンビに噛まれてしまい、スラックが容赦なく介錯する姿を見ていた。
油断していたスラックを先に片付けようとしたが、ピルズベリーの裏切りで倒されてしまう。
最後はゾンビに噛まれてしまい、それを見ていたスラックによって呆気なく介錯をされた。

ポール・カウフマン(演:デニス・ホッパー)

近年の出演作に『最終突撃取材計画!』、『パレルモ・シューティング』などがあります。

悪役。人間たちが暮らす町を作って支配する黒幕。傭兵たちを使って町の安全を守らせて絶対的な権力を持っている。

支配者としての責任を持っているが、実際は邪魔な人間を次々とチョロに暗殺させていた。
チョロを富裕層に迎える約束するもウソだと発覚し、デッド・リコニング号を奪われていた。
ライリーたちにチョロの暗殺を命じるが、邪魔になった彼らの処分をしようとして失敗する。
最後は逃げようとしてゾンビ化したチョロに食われ、ビッグ・ダディの爆破で一緒に散った。

ビッグ・ダディ(演:ユージン・クラーク)

代表作に『頭脳警察』、『ザ・ウォール』などがあります。

ゾンビの黒人男性。ガソリンスタンド「ビッグ・ダディ・ガス&リペア」のツナギの制服を着る大柄のスキンヘッド。

普段は生前の記憶と習慣としてベルが鳴ると、給油するような行動を何度も繰り返している。
自我に目覚めたゾンビとして傭兵たちの攻撃を察知し、仲間たちが倒されると悲しんでいた。
人間たちに復讐するべく仲間たちを引き連れ、町を目指して川底を歩いて渡って襲撃した。
最後はゾンビ化したチョロに捕まったカウフマンに爆発物を投げて倒し、復讐を果たし帰る。

感想

[個人的な評価]

評価 :4/5。

本作はジョージ・A・ロメロによる約20年ぶりのゾンビ映画となります。
この作品は前作の『死霊のえじき』の続編的な立ち位置となっています。
ロメロの「デッド三部作」で言えば、1968年の『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』、1978年の『ゾンビ』、1985年の『死霊のえじき』があります。
それぞれが同じ世界線の物語であるとロメロ自身が説明していて、この『ランド・オブ・ザ・デッド』もまた同じ世界線にあります。
時系列としてゾンビの発生から3年後と言われているが、出発点を『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』と考えれば、ゾンビの移り変わりが分かってきます。
本作で最大の特徴として自我を持ったゾンビであるビッグ・ダディの存在で、これは『死霊のえじき』で知性を持ったゾンビであるバブから直接繋がるような感じになる。
ゾンビはちょっとずつ進化していて、最終的にビッグ・ダディのように知性を持って明確な意思を持って行動する事ができるとロメロは表現しています。
更に世界はすでにゾンビが大部分を支配する中で、人間が二つの階層に別れている部分を皮肉のように描写しています。
こんな世界になっても人間は平等に助け合う精神よりも、支配する側と支配される側という構図を作っている愚かさを見せています。
悪人はどんな世界であっても悪人を貫き、対立を生んでしまう中で、最下層とも言える存在のゾンビたちによる反撃で崩壊させていきます。
ロメロは最初の作品から一貫して描いている人間の愚かさを約20年ぶりのゾンビ映画でも発揮しており、死んだらゾンビになる問答無用の現象も描いている。
つまり、どんなに富や権力を手に入れても、死んでしまえばみんな最下層の存在になるというロメロの皮肉がたっぷりと表現されています。
結果的に人間たちが安全に暮らしていた町は崩壊し、ゾンビたちに支配されるが、それによって虐げられた貧困層が立ち上がって革命を起こすところも面白い。
人間と人間の対立にゾンビが決着をつける意味でも、ロメロが描こうとした集大成がすべて詰まっているような作品と言えるだろう。

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